本作の出版から五年が経過した今日、中東や米国で益々「レインボー」出動が要求されそうな事件が相次いでいる事実を想うと、この著者の先見の明に感服せざるを得ない。つい先程報道された人質邦人解放も、彼らの仕事だろうか?
レインボーらの毎日の訓練の様子がよく描かれている。射撃演習の成績の差は、昨夜食べたものの差に過ぎない。何発も撃ったのに的に穴が一つしか空いていない。軍用ブーツを履いて、1マイルをオリンピックランナーと50秒差で走る。隊長Cは隊を率いるよりも、予算獲得に時間を費やす・・・。
305項の「・・・that fool WD・・・stolen so much money・・・」。こんな骨太作家がどれほどいるでしょうか?溜飲を下げた読者がさぞ多かったことでしょう。「Shiva」を撒こうとする狂信的自然愛護家たちは、寛容の精神が欠如した米国人の象徴的存在と言えます。
前半で期待させたわりには後半はやたら間延びで、クライマックスのほどもなく尻窄み。ただ超人レインボーたちも実は、愛嬌ある平凡な市民であることに親しみを覚え、897項最後まで付き合ってしまう。
英語は平易で疲れることはないが、時々、接続詞・カンマ・分詞等で長々と繋いでいるので要覚悟。
「レインボーシックス」は、現代の国際犯罪に唯一対応する秘密組織。どこにも公式には存在を認めていないが、集まっている人々は、各国情報機関、捜査機関、軍隊などのエリート集団。ここのトップは、永遠の主役ジャック・ライアンの親友でもあるジョン・クラーク。ここに新しい主役となるクラークが活躍するあたらしいストーリーが始まることになりました。
ただ、どうも私には、クランシーらしいプロットの正確さなどよりも、対テロリスト部隊の活躍物語が目立ちすぎ、いまいち楽しめなかったともいえるかも。
これまで、クランシーの本を読み続けてきた人には、物足りないかも!
本作の出版から五年が経過した今日、中東や米国で益々「レインボー」出動が要求されそうな事件が相次いでいる事実を想うと、この著者の先見の明に感服せざるを得ない。つい先程報道された人質邦人解放も、彼らの仕事だろうか?
レインボーらの毎日の訓練の様子がよく描かれている。射撃演習の成績の差は、昨夜食べたものの差に過ぎない。何発も撃ったのに的に穴が一つしか空いていない。軍用ブーツを履いて、1マイルをオリンピックランナーと50秒差で走る。隊長Cは隊を率いるよりも、予算獲得に時間を費やす・・・。
305項の「・・・that fool WD・・・stolen so much money・・・」。こんな骨太作家がどれほどいるでしょうか?溜飲を下げた読者がさぞ多かったことでしょう。「Shiva」を撒こうとする狂信的自然愛護家たちは、寛容の精神が欠如した米国人の象徴的存在と言えます。
前半で期待させたわりには後半はやたら間延びで、クライマックスのほどもなく尻窄み。ただ超人レインボーたちも実は、愛嬌ある平凡な市民であることに親しみを覚え、897項最後まで付き合ってしまう。
英語は平易で疲れることはないが、時々、接続詞・カンマ・分詞等で長々と繋いでいるので要覚悟。
ザ・ナイス、アトミック・ルースター、レフュジー、フィールズ、キャメル・・・etc。ブリティッシュのキーボードを中心としたプログレッシブ・ロックばかりを聴いていた時に出会った、このクォーターマスは衝撃でした。
プログレッシブ・ロックの壮大さ、華麗さ、美しさ(ポール・バックマスターも
チェロで参加!)とソリッドで疾走するハードロックのヘビィネスが見事に結晶した奇跡の様に美しく、そして狂おしい妖しい輝きを放つ宝石箱みたいなアルバムでした。
特に、ピーター・ロビンソンの弾き倒し疾走する緊張感溢れるキーボードは、キース・エマーソンをも凌ぐかと思われる位です。(他に思いつきませんが、
ドイツのバース・コントロールというバンドの傑作アルバム「OPERAT
ION」を思い出しました。こちらもヘビィなハード・ロックの中をキーボードが疾走します。)
ベースのジョン・グスタフソンとドラムのミック・アンダーウッドは、ロック・フィールドでも活躍するので追跡できるのですが、ピーター・ロビンソンは、この後に テクニカルなプログレ・
ジャズのサン・トレーダーに参加した後は、ソングライターのショーン・フィリップスなどのアルバムに参加して、現在はアレンジャー(エリック・クラプトンetc)や映画音楽(ゴジラ2000 etc)の仕事をしているみたいで、二度とあの凄まじいキーボードワークが聴けないのは残念でなりません。
このクォーターマスの3人に リッチー・ブラックモアが加わっていてくれたら・・・というのが、何十年もの見果てぬ夢です。(でした。)それは、きっととんでもない、 EL&P、ツェッぺリン、パープル、サバス、レインボーなどと並ぶ、いや越えてしまうくらいのスーパー・グループだったのではないでしょうか?
「ジェミニ」とは双子座という意味みたいですが、この曲の歌詩をみると、「俺はシャイだったり、大胆だったり二つの面があるんだ。黒だったり白だったり、またダークだったり明るかったりもする。それは日に日に違っているんだ。」と、自分の中の二面性(ジキルとハイド?)を歌っているのではないでしょうか。
それにしても、英国の優れたキーボーディストは、DAVID LAWSON(グリーンスレイド)、COLIN TOWNS(イアン・ギラン・バンド)、トミー・アイアー(ゲーリー・ムーア etc 〜故人)みんな、映画音楽とかTV番組の音楽やCM音楽の仕事をしているみたいで、なんかもったないなぁ。
『クレムリンの枢機卿』で初登場して以来、注目していたジョン・クラークが『容赦なく』で主人公となり、そして終にこの『レインボー・シックス』でライアンとは別の形で活躍します。クラークファン待望の一冊(4巻ありますが)です。ただ寄る年波とポストの所為で、クラークのアクションシーンが少なくなってしまったのが寂しいです。それにクランシーの常として「主人公達の家族に甘い」という点・・・・それを除けば、最高点の出来だと思います。クランシー独特のラストまで気の抜けないストーリーと、ラストへ行くにしたがって、映画のシーンのように素早く切り替わる場面構成で、悪に立ち向かう容赦ないクラークやディング達。読後感は最高です。