原題:the Quiet(聴覚障害のため、ドットの周りには静寂が支配していることを意味している)
7歳の時に母親をガンで亡くしたドット(女学生)の話であるが、実に悲しい物語だ:聴覚障害のある父親は、警笛が聞こえなかったため、トラックに轢かれて即死。その遺骨をもって、同年の女学生(ニーナ)のいる家庭に養子になって貰われてゆく。常に暗い過去を背負った様子が窺えるが、それが分かるのはラスト。
ドットは清楚な美人であるが、聴覚障害のため疎まれ、厳しいハイスクール生活を送ることになるが、逆に静けさを好む人の中にはドットに好意を寄せる人もいるが、結局は、これも虚構だったようだ....
映画紹介にあるから、書いても良いと思うが、ニーナは父親に肉体関係を持たされているが、それを憎悪している。母親、オリビアは、父親のしていることを全て知っているが、口を出せないで、ドラッグ漬けの生活。暗い過去を背負うドット。これらの織りなす、一見幸せそうな上流階級の生活。しかし、実はそうではない。
ニーナは現在の状況に悲観し、「妊娠したと」父親を脅すが、逆に自分の寝室で父親に脅される。二階で、
ベートーベンのノクターン「月光」を弾いているドット。悲しいことに、事の成り行きでドットが手をかけることに。
「嵐の前の静けさではなく、嵐の後の静けさ」が感じられる映画。最後に得られる、義姉妹の友情が救いか。
現代の米国を象徴する映画かもしれないが、ちょっと悲惨すぎる。
ある意味ヘタに今時の凄惨なサイコホラー作品作りに走るよりも、
心理的なサスペンスを作ろうとする姿勢には好感もてます。
でも、ちょっと頑張りすぎの感があります。
とにかく昔ながらのサスペンス・アイテムは全部揃えたましたね。
人気のない屋敷…無防備なヒロイン…
黒
猫…鳴り響く電話の音…天候の崩れ…夜の嵐…
誰もいないはずの窓に燈る明かり…
そして、腹に響く低音を強調した不安を掻き立てるBGM…
各シーンを盛り上げるのはいいのですが、演出に力が入りすぎると
映画の肝心なところのパワーを殺いでしまうという好例かと思います。
古い古い前作の方がその意味で
突然さと現実味がもっともっとリアルに感じられました。
不必要に響き続けている怖さを盛り上げるための音楽の使い方も含め、
とにかく気を抜ける部分がないためか(全シーンを盛り上げようとしてるのか?)
このストーリーで最もショッキングなはずの場面までに、
観客はそれを受け止めるだけの準備を充分にさせられてしまっているのです。
予想外…という展開へのショックがないのです。
「エっ!?ウソっ!?」と、思わず息を呑んで口に手を当ててしまうような
ショックの効果が削がれてしまってるのです。
アメリカサスペンス映画の原点的な作風と、
頑張りすぎでも、ある程度効果を挙げていた演出にも
一定の評価はして、星は三つ。
でも、個人的にはこの原型となったといわれる
70年代のオリビア・ハッセーの「暗闇にベルが鳴る」と同時期の作品である
「夕闇にベルが鳴る」の方が、さらにさらに怖かったです。
「ディビジョン」と呼ばれる秘密組織に追われる「能力者たち」とディビジョンとの壮絶なサイキックバトルを
香港を舞台に描くSFアクション。
念動力者、ニック(クリス・エバンズ:「セルラー」「ファンタスティック・フォー」)は
香港で予知能力者のキャシー(ダコタ・ファニング)と出会いディビジョンに追われるキーラ(カミーユ・ベル)を保護します。
しかしキーラを追ってディビジョン側のエージェント、カーバー(ジュモン・フンスー)が配下の能力者たちを率いて現れたことから激しいバトルが勃発。
幼き日に目前で父をカーバーに殺害されたニックは圧倒的な「プッシュ」:マインド・コントロール能力を持つカーバーに対抗できるのか?
そしてキャシーが予知したニックとキャシー自身の死を回避する方法はあるのか?
はっきり言って本作は「X−メン」のようなスペクタクルシーン満載の大作ではありません。
見せ場となる能力者たちの「能力」のスケールも小さくって可愛いもんです。
では詰まらないのかと言えば断じてそんなことはない。
大体、ただのB級SF映画のネタにCGでスペクタクルシーンを継ぎ足して何でもかんでもスペクタクル大作に仕立て上げる昨今の状況の方が変なのだ。
本作の場合、舞台が
香港ということもあってかワイヤーワークはふんだんに利用されてはいるもののCGによるスペクタクルシーンは皆無(これだけでも最近では珍しい)。
そのためにどうしても小粒な印象は否めないのだがその代りに盛り込まれているのが一種のミステリー的な要素。
未来を予知できる敵の裏をどのようにかいて運命を転換するのか?
ちょっとこの部分が凝り過ぎで、逆に分かりにくい展開になっている気がするだがSFとしては正しいアプローチだという気がします。
必ずしも手放しで褒める気にはなれないのですが、アクションやスペクタクルシーンを水増しすればそれでいいだろうという方向に向かっていないだけでも好感を持ってしまいます。
雑然とした
香港が舞台と言うのもこの物語には似合っている気がします。
大作ではありませんが「ちょうどいい位の」エンターティメントとして妙にそそられる作品になっております。