残念な点は完成した料理の写真が少ないということくらいで、800ページ
超+別冊というボリューム、食材別に分別されたレシピの冒頭には、その
食材の簡潔な説明も付いてのこの価格は、逆に安いのでは。
別冊も、普通の仏語辞典では
パリっとした理解の得がたい調理器具や
調理用語の説明、肉の部位の説明、あるいは食材の旬や、ロブション
こだわりのじゃがいもについては各調理法に適した品種がグラフで示されて
いるなど充実の50ページ弱。索引が別冊に付いているのは個人的には何故?
の思いですが。
帯にもあるとおり、ゆでたまごの作り方から載っていますし、ロブションと
いえば!の「じゃがいものピュレ」や「クレームブリュレ」の作り方も、もち
ろん載っています。
試してはいませんが、ラーメン屋の煮たまごに相当する「ウフ・モレ」も
紹介されており、デザートのレシピが多い(96種)のも、甘い物好きな
私には好ましい。複雑なものも多いがシンプルなレシピもまた多く、
料理好きにはオススメできる本です。プレゼントには、大きく重いので
相手を選ぶでしょう。
97年に出版された「ロビュションの食材事典」に載っているものも、すべて
ではありませんが本書でも紹介されています。しかし「すべて」ではなく、
またいくつかを比較してみたところレシピも少々違いますので(食材事典の
ほうがよりプロ向けの感じがしますし、本書はより現在向けに作ったのかも
しれません)、併せて持つのも悪くないでしょう。
指南書なんて言ってしまうと少々反論されそうですが、美しい写真とともに、ボルドーワインそれぞれの顔をくっきり思い浮かべながら楽しめ、さすが「フィガロジャポン」の編集です。
ラベルどおりの憧れのシャトーへ、自身の五感を試しに行きたくなってしまいました。
甘美なボルドーでなくても、ワインを片手にページをめくるとより五感で楽しめる素敵な一冊です。