「AVを観るのも浮気のうちなんだから! 見ちゃダメ!」 なんて騒いだ日は遠く。AV観るくらいで済んでればカワイイもんよね…と思うオトナになってしまいました。そんな諦念をもって受け入れている(一方的な)ライバル達の「本名の自分」って? と興味本位で読みました。読中感は、居酒屋で隣の会話を聞いていて、思わず耳をそばだててしまう感じ。サワーやビールの杯を重ねるほどに女の子たちがぶっちゃけていくのがリアルです。居酒屋ならば割り込んでいってお酒を酌み交わしてみたい子もいます。憎からず思っている男友達みたいな距離感で、女の子たちの本音を引き出していく巧みさは、さすが天下の(男の子のバイブル?)プレイボーイの記者ですね。
結局は、8人が8人とも全く違う人生で、違う思いをもっていて。天職と言い切る子もいれば、いわゆる複雑な事情を抱えてAV業界に足を踏み入れた子もいて、家族感や恋人との距離もそれぞれだし、悲壮感ばかりでも、楽観的なばかりでもない…当たり前といえば当たり前。人に歴史あり。女に奥深い歴史あり。リスペクトをもってそれを浮き彫りにしたところに、本書の特徴があるんじゃないでしょうか。「じゃあこの子のビデオなら観てOK!」っていう気にもなりますが、理解がありすぎるのもかわいげないかな、って、女心は複雑なわけです…。
パチンコ版の「おいくらマンボ」と「チヨコレイト」が入っていれば5つ☆でした。ちょっと残念。