第2回メフィスト賞受賞作品
「
宝島社 このミステリーがおもしろい」 1997年度 第22位
発売当初、物議を醸し出した(らしい)本作品。
聞くところによると、時の推理作家達がこぞって本作品・作者について話題にしていた時期があったとのことです。
なお、読んでいただければ、なぜ物議を醸し出したのかということが鮮明に分かります。
読破後に私は「話題になっている時に読んでればな…」なんて思いました(苦笑)。
議論に参加してみたかった…
私は作者の薦め通り『コズミック 流』→『ジョーカー 清』→『ジョーカー 清』→『コズミック 水』の順番で読破しました。
『コズミック』と『ジョーカー』をそれぞれ単体で読んでも良いのでしょうが、作者の薦める順番で読んだ方が『ジョーカー』の結末がしっくりくるのではないかと個人的に思いました。
また、時系列・登場人物等の絡みを考慮したとしても、やはり作者の薦める順番で読まれた方が良いかも…
ただ、この作者の文章や作品構成は好き嫌いが分かれるだろうなと感じました。
人によっては読破後に「時間の浪費だった…」と思うかもしれません(実際にそういう方も多いようです)。
私個人的には、この作品にちりばめられている「反則なのでは?」と思うような手法も「違った視点」「違った価値観」と考えれば、かなり楽しめると思います。
なお、本書についてですが、とにかく密室殺人が連発します。
密室殺人が箇条書きで綴られているようで、正直嫌気が差すくらい…(苦笑)
ただ、文章自体はかなり読み易い(パパッと読める感じ)ものですし、本書をクリアーすれば後は先が気になってしまいあっという間に読破してしまうと思います。
なぜあんなに物議を醸し出したのか興味のある方はぜひ手に取ってみてください。
因みに、『ジョーカー 清』・『ジョーカー 涼』・『コズミック 水』にもレビューを記載させていただこうと思っています。
参考にしていただけると幸いです。
ソレデハ…
英語教育のヒートアップぶり、TOEIC受験者数の増加、履歴書に書けば評価されるTOEICスコアの指標、
この社会情勢の中にあって、レビュワーは平気でこういう事を言ってしまう人間です。
「そもそもTOEICスコアが上がることが
英語力向上に繋がるものなのか?」
本著は、TOEICに頻出するパターンを分類してくれています。
機内アナウンスは必ず飛行機が遅れることとその理由を説明している、風景画にwheelbarrowが登場する、
上司と部下の会話では決して部下は上司に逆らったりしない、コピー機が故障したらbe jammedかout of
paperのいずれかである、など。espresso(エスプレッソ)と言ったら高速道路(expressway)と聞き違えたり
受験者が引っかかるパターンが随所に散りばめられていて、楽しく読めます。
但し、現実のbusiness sceneでの
英語はこんなものじゃありません。もっと、重要な課題について議論
する経営会議、モノの仕組み・設計について語る技術
英語、市場
調査の結果について議論する販売戦略に
関わる議論、諸々あります。卑近な事例の
英語は入りやすくて万人が楽しく取り組めるものであり、
それがTOEICの正体だと思います。
著者はそのことをよく分かっていて、TOEICへの愛を後書きで語ってます。
これはこれで一つの見識だと思いますが、TOEICをビジネススキルと直結させる危険への警鐘を鳴らして
いるようにもレビュワーには読み取れました。
まぁ、まずは自分自身が頑張って900点に一度でいいから届かないと・・(笑)