一巻二巻は元
新撰組隊士・居酒屋『角屋』の親父、三巻四巻は実業家で元南部藩の
藩士・桜庭弥之助による語りで心優しき侍・吉村貫一郎の物語を紡いでいます。原作
は文庫で全二巻ですが、上巻の半分まで描いたことになります。『角屋』の親父編は、
貫一郎の組隊士時代を描き、弥之助編は南部藩士としての彼を描出していますが、
なぜ彼が禁を犯してまで脱藩のやむなきに至ったかが本巻で分かります。彼の人と
なりや吉村家と南部藩の事情と行く末、長男・嘉一郎の生き様など見事な絵裁きです。
作画は「愛と誠」などの作品で知られるながやす巧氏ですが、アシスタントを使わない
主義のため、新刊が出るまで辛抱強く待たないとなりません。ですが、待った甲斐は
ありました。ひとりで描いて、この質を維持するのもすごいことですね。まさしく本物の
漫画職人といえるでしょう。本巻には侍の、いや日本人の生き様の原点が描かれて
います。弥之助が故郷・盛岡をあとにする場面は、涙なくしては読めませんでした。
もう、ファンになって30年!新作が出る度むさぼるように読んでます。
もうこの方以外はちばてつやさんぐらいだ。とにかく職人技のようでホレボレいたします。
現在この方のような漫画家さんがいないようで寂しいです。最近の漫画は線が細い事細い事、力強さがありません!
どのコマを見ても痺れます!大げさではありません!
ほんとに漫画が好きなんだなあと思わせてくれます。最近は大御所の方はアシスタントに頼ってしまってるんじゃないの?
先生書いてます?と思わずいいたくなる方もいらっしゃいます。
タッチが全く違うだろうよ、おい!(残念!)
でもながやす先生は違う!新作が出る度、スッゲーと必ず唸ってしまいます。現在、このような方いらっしゃいます?
もっともっと評価されて良い方ですよ、過小評価も良いとこです。
残念なのは作品集がこの1冊だけという事。
できれば全集を出してほしいです。
ながやす先生はもっと漫画を昇華できる方だと思います。
漫画を芸術まで持っていけるのはこの方だけだと思います。
でも、ながやすさんは否定されると思いますが・・・
だけど、それぐらい絵に力があるんです!
何度まねして書いた事か!
ぜひ読んでみるべき作品ばかりです。
さすがに演技の面では、南条弘二や加納竜とまではいきませんが、ヒデキの太賀誠もトップ・
バッターとして適任です。早乙女愛も岩清水弘も高原由紀も原作のキャラクターに忠実なキャスティング。多岐川裕美さん、美しすぎッ! そうそう、サドヤ・シュンも圧巻です。それにしても権太役は限界がありますよね。すばらしい娯楽作品、迷わずBOXで買いました。