『月光
仮面』は幼い頃に再放送で見た世代である。『月光
仮面』の放送がはじまったのが昭和33年(1958年)というから無理からぬことだ。制作は広告代理店の宣弘社プロダクション。企画者は宣弘社・社長の小林利雄、原作は昨年亡くなった川内康範、監督は船床定男、主演は大瀬康一。本書はけっして昨今流行りの「昭和ノスタルジー」に耽るようなものではない。そこがよかった。著者の樋口尚文は映画批評家でもあるので、1958年というその後斜陽化を進んでいく映画界とこれから台頭するテレビ界の相方のメディアのあり方を照射しながら書いている点に好感が持てる。
それでも、宣弘社プロダクションという名前は私の目に焼き付いた懐かしい名前だ。『月光
仮面』後の宣弘社作品『豹(ジャガー)の眼』『怪傑ハリマオ』『隠密剣士』(いずれも監督は船床定男)はワクワクしながら観ていたのでよく覚えている。80年代にビデオレンタル屋ができはじめた頃、昔の映画や懐かしのテレビ番組が多くビデオ化された。その中に『月光
仮面』もあったので、なつかしさ半分で見直したことがある。しかし、低予算の乏しい撮影環境でつくられた作品だけに、全編観るのも忍びない作品だった。テレビ勃興期の中のその辺の事情を、この本はうまく記している。
ちなみに監督の船床定男をネット上で検索してみても、船床の仕事の全容は知ることができない。Wikipediaにもその名前は出て来ない。子ども向けのテレビ作品ばかりを多く手がけ、監督としては評価が高くないからなのか。そうした意味でも本著は貴重である。なぜなら、船床定男には、師に伊藤大輔、兄弟子に加藤泰がいるという意外なプロフィールの紹介も忘れていないからである。
昭和40年生まれです。まあ、アラフォー以外には届かない作品ではありますが、自分としては名曲「愛する大地」一本のために購入しました。他に収録しているCDがないので、泣けましたね。入手にも苦労したし・・・。
故山本直純氏の美しいメロディーラインと70年代気分満点のムーディーな
トランペットソロ、くううううっ、泣けますねえええ。
と、言いながらドマイナーなアニメ版「月光
仮面」(第一話の敵役がほとんど
デビルマン)のOP、ED収録とか、ほんと、オタッキーなおっさん世代にはおいしいCDです。
どれも名曲だと思うんですが、歴史の果てに消えていくんだろうなああああああ・・・・・。