北海道の山奥に佇む全寮制女子高校、「
聖ルミナス女学院」。
その理事長だった祖父が他界し、遺言として高校生だった主人公が
理事長の座に就任する。
祖父が遺したのは、校内に点在した隠しカメラによる監視システム。
だが、決して邪な心根があった訳ではなく、生徒を見守りたいという
純粋な心が作り出したシステムだった。
同名のアニメ作品とは、全くの別物である。
ゲームは、校内の各所(予め設定された場所)を巡り、生徒達と会話や
イベントを繰り返し、最終的に相思相愛になるのが目的。
この一連の流れは非常に単調で、良く言えば簡単に目当ての生徒との
ハッピーエンドに辿り着ける。
悪く言えば、まさに作業と化したプレイが要求される。
前述の監視カメラによるシステムは、自由に使用出来る訳では無く、
主人公が会話に加われるか否か程度の代物。
設定上は完全な盗撮だが、それを感じさせない透明な存在感である。
キャラクターデザインは、パッケージイラストよりも多少マシ。
シナリオに粗雑感は無く、生徒達の背景や目線を巧みに描写している。
カトリック系の高校という設定上、宗教的な描写も多々あるが、そこに
押し付けがましさは無く、知識として楽しめるのも良い。
クリア後はCG観賞やプロフィール観賞、隠しシナリオなどが拝める。
又、キリスト教のミサが読めるのも独特で面白い。
フルボイスでは無いが、声優の豪華さも特筆すべきだろう。
田中理恵、水樹奈々、那須めぐみ、鈴木真仁などがヒロインを固める。
代々木アニメーション学院が制作協力していた為、知ってか知らずか
採用した声優学科の彼女達が、たまたま
メジャーになったという様な
尖った見方も出来るが、何にせよ貴重な作品だろう。
家庭的、ツンデレ、ボクっ娘、金髪碧眼のカタコト外人、双子、眼鏡っ娘、
太っちょ→美少女、
宝塚など、キャラクターのバリエーションも魅力。
アニメ本編の主人公である海平クンが理事長として着任する前の話で、「ひずんだ空気」がちょっとずつ積み重なっていって、やがて事件が起きるまで、嵐の前夜の模様が描かれています。ラジオドラマ版の主人公は海平のイトコで「レストランルミナス」に勤務する糊湖(のりこ)と、その友達の良子ブライアン(アニメ版とは違う方が演じています)。それぞれの回にゲストキャラが出て来て、それぞれの問題で悩んでいるところへ、糊湖が首を突っ込んでいくと云うもの。話の前振りは毎回校内ラジオの「いのこりトワイライト」が務めます。
アニメ版とは細部の設定が若干異なっていて、それぞれのキャラの性格もちょっと違うので、アニメ版から入った方はやや違和感を覚えるかも知れませんが、あのホワッとした独特の不思議な雰囲気は似ています。BGMとして時々流れていた「マーメイド3人組」の歌う「いのこりトワイライト」のテーマ曲(?)2曲も収録されています。ルミナスの語り尽くされていなかった一面を覗いてみたいと云う方にオススメです。