奥尻島が地震と津波で被災したときに泉谷しげるが、街頭に飛び出しひとりで募金活動を行った。「麻薬を買う金があったら募金しろ」だとか「これは、売名行為だ!」など独特の泉谷節をぶちまけながら街頭ライブは行われる。私は、泉谷しげるはデビュー当時から労働者の見方という印象を持っていたが、よく考えてみると「黒いカバン」「ひとりあるき」や「老人革命の唄」でも、あるいは「翼なき野郎ども」でもいつも社会的弱者の味方であったことが分かる。「なぜこんな時代に・・・」はこの街頭ライブと通して流れるテーマであると思うが、この「泉谷しげる ひとりフォークゲリラLIVE!」は、実は、彼が善人であることがよく理解できる名盤でる。募金をしてくれた人全員に握手をしようとする彼の姿勢に心打たれる。泉谷しげるのファンであることを誇りに思わせる不朽の名作である。