70年代、80年代、90年代の名曲・ヒット曲から選曲し、曲によってオリジナル版、リメイク版となっていますがそれを選んだのが真二さんでブックレットには曲ごとに詳しい解説〜この曲がお気に入りとか、このアレンジはいけるとか、同業者に褒められたとか、色々。沢山ベスト盤は出回ってますが、ご本人が監修は初めてです。
リメイク版は95年の「ベストソングス」3曲、2007年の「フィール・フリー」4曲、2011年の「アワーソング」2曲からです、確かに選ばれただけあってオリジナルを凌ぐ出来のものばかり。
選曲はほぼ全時代をいくつかのレーベルを跨ぐもの(77年〜98年)で今までベストの対象になった事のない98年の「アーバン・エンジェル」(現在入手困難)から3曲入っています。ポリドールとNECアヴェニューからの音源はないけど…とにかく16曲全てが名曲であり名演であること保証します、今までの作品を全部持っているファンにもおススメしておきます、この曲順で解説読みながら聞いて欲しいもの。
全曲発表時のオリジナルがいいという方には「原田真二の世界」という別の商品をおススメします。
これは日本屈指のライブ・アクトを披露するバンドのライヴ映像である。ライヴ・ショウとしての完成度、楽曲の幅の広さ、メンバーの技量の高さなど、どれを取ってもハイレベル。
クライシス解散以降の原田は、まずバンドそのものの音の弱さがネックだった。そのため魅力が半減し、おのずと活動の場は限定され「失速」という解釈をされてしまった。しかしここに登場するニュー・バンドは違う。まずドラムとベースのリズム隊の堅牢さ。
タイトなドラムとマーカス・ミラーの影響を強く感じるベースが非常に良い。この2人に原田のギターを加えたトリオ編成でも充分なくらいなのだが、これに女性サックスとキーボード&コーラスの女性を加えた5人編成がこのバンドだ。かつて原田のバンドにはサックスに現・上田正樹夫人の朝本千可がいたが、このバンドのサックスは朝本ほどの力強さはないものの奏でるフレーズはツボを得ており、これからが期待されるプレイヤーだ。また原田のギターは
プリンスの影響を感じるフレーズと重厚な音を披露する。彼をギタリストとして見る人は少ないと思うが“シンガーがギターを弾く”という程度のテクニックではなくかなりの腕前だ。ただ、楽曲によっては原田がピアノに廻る場合がありこの時ギターは不在になるわけで、この時にバンドの音が薄くなり楽曲のメリハリが消えてしまうのが残念だ。なぜなら原田のアレンジは案外決めが多いため、リズム隊とサックスだけでアクセントを付けようとしても流れてしまう。「雨のハイウェイ」などはその典型。サポートのギタリストをもう一人欲しいところだ。
しかしこのニュー・バンドを従えた原田は復活の足がかりを得たと解釈する。いよいよ、彼がデビュー当時から言っていた海外進出も見えてきたのではないか。このバンドとダンサブルなライヴ・アクト、そして珠玉の楽曲群をもってすれば、海外でも高い評価を得られるものと信じたい。
このDVDの評価については多くのレヴューアーの方々が賞賛を寄せていますが、個人的に全く同感。高校時代「てい~ずぶるーす」を初めて聞いたときの「日本にもこんなメロディー書く奴が出てきたかあ!」という衝撃は未だに忘れられません。このDVD、そんな原田真二の絶頂期(あくまで個人的見解です)が見られる最高のDVDだと思いました。正直当時見られなかったこの映像が今見られただけでも感激でした。画質や音質は決してよくありません。フィルムをそのままデジタル化しただけでノイズリダクションや音質面での改善も全くありません。でも、そんなこと全く関係ないです。映像が始まった途端懐かしい70年代が目の前に蘇り、そこに元気に動き回り、名曲を奏でる原田真二がいる。それだけで正直感動でした。とどめは
ボーナス映像。現在の本人が語り始めたのを見た瞬間なぜか目頭が熱くなりました。当時と全く変わらない現役な姿を見たのが嬉しかったのだと思います。当時の曲を、出来れば当時のアレンジで歌う今の原田真二を見たいなあと思ってるファンも多いのではないでしょうか。
このところ続く70年代~現在までの各種ベスト版CDの発売、そしてこのDVDの発売を機会にどうか名盤1st、2ndが高音質リマスター(出来れば紙ジャケ)で再発になることを切に願っております。