まさか腕貫
探偵の新作が書き下ろしで読めるとは!!
たまたま、発売日当日に仕事中にAmazonを検索していたら(こらこら)、発見。
もうその場ですぐに本屋に駆け込みたくなるのをひたすらこらえていました。
一気に読了。シリーズ初の長編でしたが、あっとう間に読んでしまいました。
腕貫
探偵と、作者の別作品『必然という名の偶然』で登場した女大富豪
探偵ヒロッチこと、
月夜見ひろゑのまさかの競演です!!
と言っても、今作では二人は邂逅していませんが。
いずれそんなシーンも読めるのかなあと。
西澤保彦ファンなら、『腕貫
探偵』シリーズと『必然という名の偶然』が、
同じ櫃洗市<人殺シティ>という架空の都市が舞台と言うことは知っていると思います。
今作には
氷見&水谷川の刑事コンビ
<シンヒツ・ロット>
<カットレット・ハウス>
局アナ 榎本裕子
などお馴染みの名前も登場します。
そして、
タイトルの「モラトリアム・シアター produced by 腕貫
探偵」の意味も、
最後の最後にわかります。ニヤリとしました。
最後に誤字。
P273 左から3行目
誤→智慧クロォフード
正→智慧クロフォード
※ 誤字は初版第一刷のみ。第二刷からは修正されています。
「凄腕
探偵とお役所仕事」という、一見、ミスマッチな組み合わせが斬新で面白いです。
主人公の
探偵=お役所の人は何者なのか、臨時出張サービスの本来の目的は何か等、突っ込みどころは満載なのですが…。
悩みをぶつけてくる市民と、淡々とお役所仕事をこなす腕貫
探偵の会話が絶妙です。
腕貫
探偵は、淡々としながらも事件の核心を突き、相談者の悩みに応えます。
しかし、事件の真相を教えるのではなく、あくまで事件解決への道筋を伝えるだけです。
しかも、相談時間が終了すると、会話の途中でも打ち切るという、完全なるお役所仕事(?)です。
突っ込みどころは満載ですが、それも本書の面白さに一役買っています。