店頭で購入しました。
今まで、
フリーステッチしか興味のなかった私が、初めてクロスステッチに挑戦したいと思わせてくれた本です。 掲載されている小物も、みなセンスが良いですし、作り方も丁寧です。
前々から手に入れたかったのですが、ようやく中古で入手。
このアマゾンページには出演歌手、録音年がのっていませんので、補足します。作曲家は自明なものは省きました。
1,『沙羅』(信時潔)より「北秋の」 テノール 木下保 1943
2,『道化師』より「トニオのプロローグ」バリトン 秋元雅一郎。 1959 日本語
3,『ジョコンダ』より「貴婦人の声か天使の声か」ソプラノ 朝倉万紀子 1976
4, 「六騎」(山田耕筰)バリトン 伊東亘行 1966
5, 『カルメン』より「ハバネラ」メゾソプラノ 川崎静子 1960
6,『六つの歌』(R・シュトラウス)より「セレナーデ」メゾソプラノ 佐々木成子 1999
7,「砂山」(山田耕筰) ソプラノ 柴田喜代子 1966
8,「箱根八里」(団伊玖磨)テノール 柴田睦陸 1951
9,「出船」(杉山長谷夫) バス 関忠亮 録音年不詳
10,歌曲集『ダウマーによるリートと歌」より「風もそよがぬ、和やかな大気」 バリトン 中山悌一 1960
11,『沙羅』より「沙羅」 バリトン 畠中良亮 1973
12,『夕鶴』より「つうの別れの場面」ソプラノ 三宅春恵 テノール 木下保 1959
13,「馬売り」(山田耕筰)テノール 渡邊高之助 1966
14,『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」 テノール 荒木宏明 1951 日本語
15,『ミカド』より「私は人情味あるミカド」 バス 栗本正 メゾソプラノ 栗本尊子 1969 日本語
16,「二つ星」(団伊玖磨) メゾソプラノ 栗本尊子 1977
17,「深い河」〈黒人霊歌〉メゾソプラノ 戸田敏子 1963
18,「春日狂想」中原中也の詩・松本民之助 作曲 ソプラノ 畑中更予 1959
19、『フィガロの結婚』より「もう飛ぶまいぞこの蝶々」 バス 大橋国一 1967
20,『魔笛』より「おいらは鳥刺しパパゲーノ」バリトン 立川清登 1975 日本語
二期会創立の年1952年の参加者、またはその翌年加入者で物故者ならびに2002年に80才を越えている人、または草創期の二期会の発展に多大な貢献をされた物故者 の三条件から、本人および遺族の希望曲を再録したそうです。
したがって音源はあまりよくありませんが、一般的な
アリアの名曲ではなく、それぞれのアイデンティティを示す曲が選ばれています。たとえば14の荒木氏は『トゥーランドット』本邦初演でカラフを歌ったテノール。思わずひきいれられる歌唱です。
しなやかな日本語でうたわれるオペラのかずかず、そして丁寧な日本の歌曲は、(もちろんテクニックもご本人の満足のゆく出来映えのものでもありますが)全体を通してみると、現代のグローバルな感性のオペラとは違う、日本の風土をこまやかに体現した歌になっていると感じられます。
おそらくは得意だったオペラ
アリアをあえて選ばず、思い入れのあるもの、また日本人歌手ならではの歌曲を選んだことで、単なる日本のオペラ史、歌手史ではない、「日本の歌」を考えさせる味わい深い一枚になっています。
そしてまた日本語訳詞のオペラの良さも、改めて感じました。美しい日本の歌。手に入れて満足のゆくCDでした。著作権の問題もあり、難しいのでしょうが、このような試みがさらに続くことによって、日本のオペラの感性が掘り起こされてゆくことを望みます。