当時,音楽雑誌で「大滝詠一に聴かせたい楽曲・・・」といった評を目にして,即買いした1枚。
柔らかな声とどこか懐かしさを感じる流麗なメロディ,エコー感の深いスペクター調のサウンドは,「大滝云々」という評もうなずけるが,一方で,独特の個性を感じることもできます。
特に「あと1センチ傘がよったら」は秀逸(古田隆のドラムも聴きもの。)。また,「風の横・横」(「横・横」とは
横浜横須賀横断道路のこと)は,私が
横浜の大学に進学を決めた時期と相まって,とても思い入れの深い曲です。
本作の後にも2枚のアルバムが発表されており,2作目「Umbrella」(1992年)は,基本的には本作と同様,風景的・情緒的な手触り,3作目「Innocent Days」(1993年)は,内省的・私小説的な趣向にシフトされた感じ。3作とも,今でも私のCDコレクションの中からよく引き出されるアイテムです。