奇抜なトリックが持ち味の黒田研二氏による、夏休みの教室に集まった数人の生徒達というワンシチュエーションで展開する物悲しい青春ミステリー作品。
いつものような奇抜なトリックではないが、青春ものとミステリーの要素をうまく融合させて、最後まで引き付けて読ませてくれる。やや、いつものクロケントリックと比べるとケレン味にかけるのは否めないが。
文庫版では直っていると思われるが、ノベルス版で最初出たやつには、最後の200ページ目にKAGEROUばりの致命的な人命のミスがあった。一瞬？となるので、これはクロケン得意の叙述トリックか！と一瞬思わせてしまうが、単なるミスなので、初判のノベルス版を読む際はこの致命的間違いも期待して読んで頂きたい。

ナナフシ図鑑と呼べる本書だがいかんせん「カマキリのすべて」と同じく
カラー、モノクロとページが交互にくるのでモノクロページでは色合いがわからない。
図鑑ページだけでもオールカラーにして欲しかった。
ただ内容は読みやすく生活史、飼い方も載っているでとてもいいと思う。
これだけ沢山の種類のナナフシを紹介している一般書はないのでなんか勿体無い！