レオンの変なダミ声は最初は変だとか下手だとしか思え
ませんでしたが、聞き続けているうちに不思議と
渋くてカッコいいものに思えて来ました。
彼の常識をくつがえすヴォーカルはトム・ウェイツや
ウォーレンジヴォンのようなユニークな歌手が登場
する下地となったといわれています。
カントリー、ブルーグラス、
ジャズ、R&B、ポップスに
移行する以前の、LAスワンプ最盛期を演出したこのアルバム
が一番好きなのは自分だけではないはずです。
往年のレオン・ラッセル・ファンには懐かしく、しかしまだまだ凄いなこの爺さんと思わせるDVD。
この人は死ぬまで一直線に突っ走るタイプらしく、高齢に達してからのライブも、叫ぶようなレオン独特の歌声こそ衰えたものの、変幻自在なホンキートンク・ピアノは最盛期のパワーそのままで、ストーンズ視聴しても酔えなくなった硬直したわが感性をいまだに激しく揺り動かす。
このDVDはドキュメンタリーLIVE映像にありがちな、曲の途中で何度もインタビューが入るような中途半端なものではなく、ナレーションが曲と曲の合間に入るが、ほぼ全曲中断なしに視聴できる形式で、レオン・ラッセル名曲集のようなもの。
このDVDには、40年ほどまえに日本のテレビでも放映されたスタジオライブ、高齢になってからの最近のライブ映像などが多く収録されている。
レオンのおそらく十代の頃の写真(すでにプロのミュージシャンだった!)がチラッと見えて、興味深い。あのレオンの白いロングヘアと髭、黒メガネスタイルに変貌する以前の、髭のない短髪で知的な学生のような風貌。育ちの良い上品なおとなしそうな青年にみえる。
以後のレオンの舞台の激しい挑発的なパフォーマンスは若年の気の弱さの裏返し、追い込まれた者の強がり・ツッ
パリか、とも思える。
レオンのライブ映像は、ジョー・コッカーの『マッド・ドッグズ』、ジョージ・ハリスンの『バングラ』などが著名だが、いずれも最強の補佐役に徹していて、肝心のレオン自身のコンサートLIVE全編のDVDは公式には未発売。
レオン最盛期の30代の『レオン・ライブ』、私も
京都公演を見た伝説の『ライブ・イン・ジャパン』のライブ映像全編は残っていないのか?。
レオンの弟子だったエルトン・ジョンのライブ映像は星の数ほどあるのに、ロックの巨匠レオン・ラッセルのコンサートLIVE全編のDVDが未発売なのは非常に残念だ。
本書の第7章の分子時計のところで、BMAL1などの蛋白質の話を読んでいた途中で、フジテレビの『あるある大事典』のダイエット特集を見ました。その中で、BMAL1が脂肪の蓄積に関わるということで、「体内時計がこんなところでダイエットに関わるとは」と、驚きました。本書には、脂肪の蓄積の話は出ていませんが、この種の日常生活との絡みがいっぱいありそうで、今後楽しめそうです。快適な睡眠とか、ダイエットとか、時差ぼけとか、その種の話を取り上げた本もよいのですが、それらの基本となる脳、遺伝子、蛋白質の基本的知識を扱った本書は、バイブル的に使えそうです。
素晴らしい。滋味あふれる音楽。
ジャズ、ブルース、R&B等々、米国の南部くさい彼のすべてがつまったようなアルバム。
バラエティに富んでいて楽しめますよ。