長編アニメが中心の『
機動戦士ガンダム』シリーズの中で、この『イボルブ』シリーズはショートフィルムと言う形式によって制作される短編作品で、それぞれの編毎に監督が変更され、それに伴い編集方針や魅せ方のポイントも大きく異なっている点が大きな特色ですね。
特に映像面では様々な形での3D表現方法が模索されており、多分に実験的な意味合いも含んでいるものの、モビル
スーツを如何に魅力的に描き出す事が出来るかを競い合っているような側面もあり、編によっては非常に斬新で見栄えの良いモビル
スーツ像を描き出す事に成功しているモノもありますね。
但し完成度のレベルにかなりバラツキが有るのは残念な所。又、3年前に発売された『イボルブ+』の時のような、編毎に見られる明確なテーマ性がかなり希薄になっている印象もあり、全体としてややインパクト不足と感じられました。
「6」の出典は『SEED X ASTRAY』、正直ストーリーは全く訳が解りません。映像面でも目新しさが感じられない、というよりかなりショボイ出来といわざるを得ませんね。
「7」の出典は『ガンダムW』、ヒイロの語られざる戦いの一コマを描いています。シューティングゲームっぽい構造物を利用した戦闘シーンは結構面白かったですね。
「8」の出典は『SEED』、映像面でのテーマ性が非常にはっきりとしている上、魅せ方へのこだわりが半端ではなく、今巻収録の作品の中では出色の出来栄えといえます。
「9」の出典は『Z』、3機のゼータガンダムと安彦良和氏によるガンダムファンなら馴染みの深いキャラクター、オリジナルのストーリー等おいしい要素が盛り沢山のはずですが、狙い過ぎて消化不良を起こしている印象ですね。
「10」の出典は『ZZ』、3D化されたジュドーとルーがしっかり原作の雰囲気を表現出来ている点は良かったです。第4世代モビル
スーツの
恐竜的特色もうまく捉えられていたと思います。