「私を愛したカフェオーレ」??????
邦題があまりにも間抜けで見逃していました。
OSSとは、第2次大戦時のアメリカの戦略諜報局(Office of Strategic Services)のことです。いわゆるCIAの前身です。
本作のOSS117、ユベール・ボニスールは、
フランス版の007、ジェームス・ボンドみたいなものです。原作はジャン・ブリュースで、シリーズ物です。映画も60年代に数作、製作されています。
何の予備知識もなく、観始めたのですが、60年代の作品のデジタル・リマスターものかと思っていました。
舞台は1950年代だし、町並みも出てくる車も、飛行機もみんな古いし、画面の色調も昔のテクニカラー、トッドAO方式みたいです。
ネタは、もろ60年代の007、ショーン・コネリーのジェームス・ボンドです。髪型、服装、ちょっとした仕草や表情は、その頃のショーン・コネリーの物真似です。主演のジャン・デュジャルダンはよく研究しています。すごく似ていて、すごく笑えます。このネタ分かる人は今時少ないと思います。
冒頭の
タイトルバックはモーリス・ビンダーもどきだし、音楽はいかにも60年代のスパイ映画風だし、だまされてしまいました。監督のこだわりもはんぱじゃありません。
時代考証から、キャラクター、衣装、音楽、カット割、さらに画面の色調まで、ココまでこだわったパロディーが作れる
フランス映画って、奥が深いですね。一昔前のマイク・マイヤーズのオースティン・パワーズは子供だましでしたね。
P.S.これを機会に、フレデリック・スタフォード主演の60年代のOSS117シリーズをDVD化して欲しいと思うのは、私だけでしょうか?