吹奏楽の世界では超有名人の大栗 裕ですがこれが初の管弦楽作品集だと思います。
大阪俗謡による幻想曲や神話など吹奏楽で聞きなれている作品ではこんなに素晴らしい音楽であったのかと感激してしまいました。この演奏には今までの演奏には見られなかった多くの魅力が引き出されています。吹奏楽でこれらの作品をよくご存知の方には新しい発見の旅となることでしょう。非常に味付けの濃い演奏になっていて
大阪フィルの重厚な響きが最大限に生かされています。木管楽器のソロも同様の太いサウンドで楽しめました。この優れたデイスクにより大栗 裕の世界の素晴らしさがより多くの人々に知られることとなるでしょう。
2004年に左手のピアニストとして復帰した舘野氏による、室内楽・協奏曲ソリストとしての復帰作。前半のコルンゴルトでは、息子ヤンネ氏がバイオリニストとして参加している。
無知な僕には余り馴染のなかったコルンゴルト(前半、パウル・ヴィトゲンシュタインの委嘱曲)とノルドグレン(後半、舘野氏への献呈作品)だが、どちらも非常に聴きやすかった。特に、9歳で書いたカンタータをマーラーに絶賛されたというコルンゴルトの作品は、基本的に後期ロマン派の曲なんだが、大変さらりと料理されている。ロマン派の情念が苦手な僕にとっては、非常に耳に心地よい解釈だった。
舘野氏というとフィンランドというイメージが強いのはどうしようもないんだが、どこか北欧の澄み切った空気を感じるような透明感のある演奏であることが、本盤の聴きやすさの理由として大きいだろう。
テレビ番組「題名のない音楽会」の常連であり、
ドイツ、東京、
大阪、そして山形ほか、文字通り世界を股にかけて活躍中の飯森範親が、山形交響楽団を引っ張ってますますその芸術性を高めている。30数年前に東北初のプロオケとして誕生した「山響」は、数々の試練を乗り越え、地元の学校や施設での巡回演奏会などの地道な活動とともに、しっかりとした定期演奏会を行っている。弦楽器群の音は透明感が高く美しい。パート間や弦と管のアンサンブルにまだ未成熟な面を残しているが、若い奏者の多い楽団として、飯森の力を得てますます発展して行くであろう。この両者の緊密で良好な関係は、某国営放送『オーケストラの森』でも紹介された。
ハイドンとシューマンというあまり見かけない今回の組み合せも、その爽やかな演奏が強調されており、聴いていて気持ちの良くなる交響楽である。飯森の指揮姿を実際に見たことのある者なら、この音楽を聴きながらあの俊敏で華麗な動きに引っ張られているオーケストラの姿が瞼に浮かぶことであろう。
YSOレーベル(山形交響楽団オリジナル)の第1弾であり、山響定期のライブ録音ということも評価したい。この後にも、飯森&山響でアルバムが作成される予定である。