太陽フレアによる磁気嵐は放送・通信の障害が起きたり、人工
衛星の電子機器が故障の原因となります。太陽フレアによる太陽放射線は有人宇宙活動において被ばく量の増大につながるため、その防護も必要となります。また、1973年に打ち上げられ、様々な宇宙実験に用いられた
NASAのSkylabが予定より早く、大気圏に再突入となったのも太陽活動が活発になり、機体にかかる空気抵抗が増加したことによります。このように太陽活動は私たちの活動する空間、環境と無関係のものではありません。
本書は、太陽からの放射線や太陽風に起因する地球でのオーロラの発生や環境の変化などを対象とする「宇宙天気」について、わかりやすく解説するもので、科学に関心ある人を対象とした優れた本です。
本書にも紹介されていますが、著者の『宇宙天気ニュース』などのサイトを本書を読みながら閲覧されることをお勧めします。