ライク・ア・ローリング・ストーン
「ミステリー・トレイン」等で高名なグリール・マーカスの新刊です。題名から「ライク・ア・ローリング・ストーン」にのみ焦点を当てた本かと読み始めましたが、著者は「アーティストがすることの本質は、自分の人生を語り、その育ちやおこないや挫折、そして死という未知の国へあなたを連れていくことだ」と定義しつつ、ディランの置かれてきた状況を、ポール・ネルソンの「しるしを求めて、世界はディランを追いまわし、彼がたばこの吸殻を捨てるのを待った。彼がたばこを捨てると、人々はそれをふるいにかけて、意味を探した。そして恐ろしいことに、意味をみつけたのだった」という言葉で説明し、「ふるい」にかけられて残ったものや、捨て去られたものまでを検証します(これが本書の大部分を占めています。ディランの生い立ちや時代を背景として、また、後世に及ぼした影響を分析することによって掘り下げていこうとします)。そして、著者なりの「ライク・ア・ローリング・ストーン」を「ものごとに線を引き、(状況を)区別する」「できごと」だとします。結局、「『ライク・ア・ローリング・ストーン』は新しい世界の到来を約束する。あとはあなたが自分でそれをみつけるだけだ」と、読者一人一人を当事者として、その「できごと」と関わらせようとします。そんなに長い本ではありませんが、ところどころでふと内省的な気持ちにさせられ、読み切るのにある程度の時間を要求してくる本だと思います。
あと、あり得ないことだと重々承知していますが、エピローグは付録としてCDでつけてほしかったです。
ライク・ア・ローリングストーン―俳句少年漂流記
自叙伝にしいはおもしろすぎる。一気に読めた。どちらかといえば出来の悪い少年の青春にいつのまにか共感し、ストーリーに引きずり込まれてしまう。しかも作者と同世代ではないのに、だ。俳句を知らなくても面白く読めた。
追憶のハイウェイ61
中学生のときに、
ボブ・ディランを聞いてみよう、
と思ったときに、
これを手にしていたら、
もっと早くに聞いていただろうに、
と思う。
曲のかっこよさも然ることながら、
ディランのテンションが、
ちょっと高いような気がする(気のせいか)。
それが、心地よくて、かっこいい。
街をあるきながらでも、
車を運転しながらでも、ぴったり。
ただし、晴れの日がいいと思う。