夕陽のガンマン/荒野の用心棒
超有名映画・有名曲のカップリングで、巨匠エンニオ・モリコーネの代表作。
[1. 夕陽のガンマン],[9. さすらいの口笛] の各テーマ曲の口笛、鞭の音、男性コーラスによる音楽は、
荒野、アクション、男気、孤独、哀愁を強烈にアピールしており、マカロニウェスタンの主題歌のイメージを決定付けました。
また、タイトル曲のみならず、サブテーマとも言える、[2. ガンマンの祈り],[10. 荒野の用心棒]の
静かなメロディもとても印象的です。2.のオルゴールの澄んだ音も効いています。
個人的には、どうしてもTVドラマ必殺シリーズや、その関連時代劇を連想してしまいます。
特に[10. 荒野の用心棒]は、近藤正臣の「斬り抜ける」で似た曲を使用しており、また同番組では「怒りの荒野」も流れておりました。
(これがまた超カッコイイ!)
当時、テレビを観ていて気になっていましたが、同意を求められる話す相手がいなくて寂しかったことを思い出します。
荒野の用心棒 完全版 スペシャル・エディション [DVD]
山田康雄さんといえばルパン三世と並びイーストウッドの吹替はやっぱ絶品!あの少し擦れたような声がバッチリ!敵役にも内海賢二さん、羽佐間道夫さん、加藤精三さんとシブい面々。従来のテレビ音声収録版はかなりカットされたシーン多く急に音声が切り替わったりするので見ててもかなり不自然でしたが今作はほぼ100%入ってるのが嬉しいです。山田さんが亡くなったので、もうルパンの軽いノリしか聞けないと思ってた時に本作を発見し即購入!出来れば「ダーティーハリー」シリーズも山田さん吹替を収録して再発を!
日本フィル・プレイズ・シンフォニック・フィルム・スペクタキューラ Part4~エピック&西部劇篇~
1980年代以降、映像音楽の録音といえば、ジョン・ウィリアムズの指揮するボストン・ポップス・オーケストラとエリック・カンゼルの指揮するシンシナティ・ポップス・オーケストラによるものが、質的に突出したものとして存在してきた。
しかし、前者に関しては、オリジナル・サウンドトラックの演奏と比較すると、しばしば、演奏に生気を欠くことが多く、また、後者に関しては、近年になり、編曲に劣悪なものが増え、指揮者も精彩を欠くようになり、徐々にこのジャンル自体が魅力を失うようになった。
しかし、今世紀にはいり、日本フィルハーモニー交響楽団によってたてつづけに録音された6枚のCDは、上記の両横綱の録音と比較しても遜色のない、高水準の内容を誇るものである。
沼尻 竜典と竹本 泰蔵という有能な指揮者の的確な演出のもと、20世紀の古典ともいえるハリウッドの代表的な作曲家の傑作の数々が実に見事に奏でられている。
これらの演奏の特徴は、あえていえば、オリジナルの魅力を過剰な演出をくわえることなくありのままに表現していることにあるといえるだろう。
いずれの作品も、世界中に配給される映像作品の付随音楽として作曲されているために、もともと高度の娯楽性と表現性をそなえた作品である。
ここに収録された演奏は、それらの作品が堅実な職人性のうえに自然体に演奏されるだけで、視聴者に無上の歓びをあたえてくれることを明確に示していると思う。
いずれにしても、20世紀後半、正当な評価をあたえられることなく、ハリウッドの片隅において高水準の管弦楽曲を創造しつづけた数々の現代作曲家の労作をこうしてまとめて鑑賞してみると、あらためてそれらが実に良質な作品であることに驚嘆させられる。
そこには、紛れもなく、最高の職人性と大衆性が見事な結合を果たしているのである。
日本フィルハーモニー交響楽団による6枚のCDには、そうした身近なところに存在していた現代芸術のひとつの奇跡が封じ込められている。