SAMURAI FOOTBALL vol.3 (ゴング格闘技2012年1月号増刊)
巻頭の香川真司特集、不調から復活し、ふたたび輝きを取り戻すさまがしっかりとおさめられています。リーグ10節のケルン戦でのゴールシーンが素晴らしいです。
前号に続き、内田篤人も、前半10ページ、後半6ページの大特集。前半は、練習場での模様や現地ファンにフレンドリーに応対する内田のやわらかい表情がおさめられています。後半「若き日のサムライ」では(今でも十分若いですが)、貴重な高校時代のジャージ姿から10番をつけて清水東をひっぱる姿、鹿島でのデビュー年、ユース代表、北京五輪など、着実に歩みを進める内田の表情がみられます。
ノヴァーラの森本、バイエルン宇佐美の初ゴール(指輪にキス)など迫力ある写真も魅力です。
アンチ・ドロップアウト~簡単に死なない男たちの物語 (SHUEISHA PB SERIES)
スポルティーバで連載されていたドロップアウトが書籍化された内容です。
多少加筆されているのかもしれませんが、ネットで読んだのとほとんど同じです。
内容に関しては非常に面白いのですが、書籍化したメリットがあまり感じられなかったので、星を一つ減らして四つとしました。
作者はよくスポーツ(特にサッカー)のコラム・書籍で登場する小宮さん。
個人的には結構好きです。
マニアックな、一歩入りこんだ内容ですので、非常に「リアル」という点で面白いですね。
選手の内面が知り得る貴重な内容。
例えば、元鹿島の金古選手。
将来を有望されながらも、なぜ国内チームを転々として、今は海外にいるのか。
なぜ鹿島で活躍できなかったのか、本人の心情も交えて綴られています。
ちょっとサッカーが好きな人にはもってこいです。
日本代表激闘録 AFCアジアカップ カタール2011 [DVD]
日本中が熱狂した、アジアカップ2011における
日本代表の奮闘を記録したドキュメンタリー。
全試合のダイジェストと選手へのインタビューのみだが
特典映像もなく、淡々と進むので、当時の熱狂や興奮は
ほとんど味わうことはできない。
何かやっつけで作った感があり、パッケージもダサすぎ。
もっと話題になってもいいはずなのに、もったいない。
祖国と母国とフットボール ザイニチ・サッカー・アイデンティティ
同じ在日コリアンのサッカーに携わる者として、興味深く読ませていただきました。
この本が多くの人に読まれることによって、多くの日本の方々が在日コリアン・フットボーラーに興味を持っていただければ嬉しい限りです。
興味深かったのは、ドイツW杯最終予選が始まる前までは、朝鮮代表選手自身ですらW杯に行けるとは思っていなかったこと。安英学選手の「クムン・イルオジンダ(夢は叶う)」という信念がチームに波及し、やがてはチームはまとまっていき、見事W杯出場を成し遂げたこと。日本で同じくサッカーを通じて夢を見る者として、見習わなければと強く思いました。
李忠成選手の章では、同じ在日といえども本当に知らなかったことばかりで、まだ二十歳を過ぎたばかりの青年がよくこんな重圧に耐え続けたなとある種の感動を覚えました。この本とは全く関係ありませんが、同じ在日コリアンとして言わせてもらうならば、「リ・タダナリ」ではなく「リ(イ)・チュンソン」で帰化すれば、もっと在日コリアンから共感を得られたのではないかと思います。
最後に、著者自身もこの本のタイトル通りの人生を歩んできており、著者の情熱(特に最終章)に本当に心を揺さぶられました。
日本の方々は勿論、在日コリアンにも読んでいただきたい一冊として推薦します。