ねこぢる草 [VHS]
ねこぢるファンなら迷わず買いましょう。
漫画を断片化し、それをわかる人にだけわかるように繋いだ作品。
正直万人向けとは言い難いです。姉弟愛だけのストーリとして見ること
は可能ですが、ファンの為への作り込みが有ります。
ねこぢるファンなら、タイトル末尾の「草」で、ハズレでは無いと
気づくはず。発音があえて「そう」。確信犯ですね。
ウルトラバイオレンス姉弟の繰り広げるサイケデリックワールド。
ねこぢるが呼んでいますよ。
ねこぢる草 [DVD]
なんだかわけわかんないけどすごい。
見るとか考えるじゃなくて、ただ漠然に”感じる”ことに、このお話の良さがあるんだと思う。
終盤になぜかじーんと来る。
理屈が存在しない、純粋な感性の世界。
ねこぢるまんじゆう (BiNGO COMICS)
ねこぢるにはもっと作品を描いていて欲しかった。この本を読むと、特にそう思います。
本書に収められている「ねこぢるまんじゅう」は、ねこぢるの新たな方向性をみることができます。
内容は、人間のおじいちゃんに育てられた、二匹のネコが母親を探しに旅に出る話。ねこぢるの作品にみられる、残忍なシーン、暴言などはありません。
ねこぢるの「かわいいキャラクターが残虐なことをする」といった作風が好きな人にとっては、どう感じるでしょうか。
わたしも、ねこぢるの描く、悲惨な話が好きです。
でも、この作品では、今までの作品とは違った、無常さが感じられます。
内容は暗くないのに、ねこぢるがどういう思いで描いたのか、とつい考えてしまう作品です。
ぢるぢる旅行記 (インド編) (Bunkasha comics―Manga Aloha! series)
この本は一番ねこぢるさんの素顔が見える作品。
口癖や思考など、そのまんまです。
ノンフィクションなのに面白い。
何度読んでも、また読みたくなる一冊です。
ねこぢる劇場 [DVD]
『ねこぢる草』。『ねこぢるy』。そしてこの『ねこぢる劇場』。そのどれもが深淵なるねこぢるの井戸に桶を吊るし入れた作品です。汲めたナニカをぎゅっと濃縮したのが『ねこぢる草』。できうる限り過剰な演出など避けて丸かじりしてみたのが『ねこぢる劇場』。この世で最もその井戸のそばにいたのに、否、いたればこそ持ち得た生前の姿・声・呼吸・思考・嗜好・生き様・残された直筆のメモや夢日記を材に作品の深化を試みた『ねこぢるy』。…ねこぢるyの解釈にはわだかまった違和感がつきまとったためか私は好きにはなれなんだ。しかしてアプローチの仕方はそれぞれながらもどの作品にも共通して、 あのどこ見とるかわからん目をした猫への畏怖、興味、共感が充満しているような気がする。カール・セーガンよろしく無闇にパラノイックに構えて分析するのも勝手だし、単なる数多ある娯楽の一つの形としてあろうとしただけだろうと遠巻きにその存在をとどめておくのもいい。実際、知り合いなんかはねこぢると和田ラジヲを同じ棚に並べていたし、解釈はいくつあってもいいと思います。たった一つの解釈以外は認めない!なんてケチクサイ作者でもないでしょうから。一度心にこびりついたら、ちょっとやそっとじゃ忘れられない。憶えやすいのは見た目だけにそれはあらず、誰しも心では渇望していながら、そう易易と表立っては言えない出来ない荒事をあの猫はやってのけてしまいます。このDVDの特典映像にガロ表紙集が収録されてて思い出したのが「物や人の本質を瞬時に見抜けてしまう人。またそれを素直に口にしてしまう人」とする、根本敬さんのねこぢる評。なんかステキダワー。