サテリコン [VHS]
フェリーニの最高傑作のビデオ化作品。ダニーロ・ドナーティの美術が大きな魅力なのに、どうしてもビデオだと細部が欠けてしまうのが残念ですが、それでも「サティリコン」をビデオで見られるとは何たる幸い。この映画を視て古代ローマの世界が大好きになつた人も少なくないはず。
キャプシーヌの美しさ、前半のスブーラの場面の素敵な人々、美少年をめぐる青年たちの恋の鞘当て、等々のシーンは息を飲むばかりに素敵です。 まだ見ていない人はすぐにでも、また既に見た人は今一度この傑作を鑑賞して楽しみましょう。
ザ・エイジ・オヴ・ネロ~ツアー・エディション
『My skin is cold』EPがあっという間に売り切れ、一時はとんでもない価格で取引されるようになっていましたが、内容はこちらの2枚組に収録されているのと、おそらく同じです。レコードプレーヤが無ければ聴けないアナログ盤は、装飾品にしかならないため、自分にとってはこちらのCDで充分です。
ライヴヴァージョンは、観客の歓声とSatyrのノルウェー語でのMCが臨場感溢れていていいですね。
ちなみにあのEPを、聴くためではなく単なる転売目的で大量購入した人もいるらしい、と聞きましたが、
再プレスor日本版発売の可能性もゼロではないようですし、ひところに比べてかなり価格も下がってきたようですね・・・。
My Skin Is Cold Ep [7 inch Analog]
サテリコン [DVD]
イマイチではないのでしょうか。
お気に入りの「サテュリコン」が映像化されているらしいと最近知り購入したのですが、うーん…。
原作があるものが映像化されると往々にして何かしら不満が出てくるものですが、これは特にがっかりが多かったです。
※特にギトン(映画ではジトーネ)がアスキュルトス(アシルト)についていったっきりエンコルピウス(エンコルピオ)の元に戻らなかったところが残念。
これはもう「サテリコン」という新たな一つの作品だと思ってみたほうがいいですね。 そう見ると映像と音楽はなかなか目を楽しませてくれます。特に秀逸なのは神の子!人間とは思えない美しさと不気味さを兼ね備えた子です。この子を見る為に買ったんだと思うなら惜しくはありません。
しかし総合評価としては☆3です。
甘い生活 プレミアムHDマスター版 ブルーレイ [Blu-ray]
表層のにぎやかしとは裏腹に、ただ一人で生きていて、ただ一人で死んでいく人間の哀歓と虚妄をマストロヤンニ扮するトップ屋の寄る辺なき生をつうじて描き出した巨匠の不朽の名作です。
それにしてもこのモンクローム映像に登場する女性たちのなんという美しさ、そして輝かしさよ! あらゆる映画のあらゆるショットの頂点で光り輝いているのが、このフィルムに定着されたアヌーク・エーメやアニタ・エクバーグの銀色の映像です。
夜な夜な繰り返される、甘いどころか、狂気と痛苦に満ちたらんちきパーティの仇花の壮絶さよ。1960年現在のイタリアでこの名監督の胸に宿っていた生と性についてのニヒリズムの深さと絶望は、ほとんど底なし状態にあったのでしょう。パーティが果てて海辺に出た一行の前で不気味に見詰める巨大なエイの碧眼は、おそらくきっとその象徴なのです。
入り江の向こうに朝の光を浴びて立つ少女。その新しい未来からの呼びかけはついにくたびれ果てた主人公の耳に届くことなく、この長大な病める魂の内省録はようやっと幕を下ろすのです。
死んだ魚の眼を見ている死に掛けの人々 蝶人
サテリコン [DVD]
ただただ巨匠フェリーニが創り上げた狂乱の世界に圧倒されます。
現代のモラルが通用しない、まさに酒池肉林の饗宴…。
美少年をめぐる男色、両性具有の神の子、そして人喰い。
これでもか!というくらい禁断のテーマを盛り込み、
独創的で退廃的な古代ローマを描き出しています。
欲望と暴力、狂気が入り乱れるショッキングな内容なので、
とても万人受けするものではありませんが、
ハマる人はどっぷりハマる見応えある映画です。
特に極彩色の映像と豪華絢爛な美術は一見の価値あり。
ちょっと前に「本当は残酷なグリム童話」とか、
それと似たような神話モノが流行りましたが、
そういうのが好きだった人にもオススメです。