NHKスーパーピアノレッスン―フランス音楽の光彩 (NHKシリーズ)
このピアノの本は、NHK教育番組のテキストです。
毎回一流のピアノ講師が教えてくれる、
ピアノ上級者向けの人気シリーズです。
今回はフランス音楽、ドビュッシー、ラヴェルなど、
弾きたいけど難しすぎて、初級〜中級レベルだと先生にも
教えてもらえないようなキラキラ作曲家の曲が満載です。
でも「亜麻色の髪のおとめ」とかポピュラーな曲が多く、
なんといっても「短い!」のが素敵。
テキストの楽譜を見て頑張れば、初〜中級者でも
1曲ぐらいは弾けるかも・・との期待が持てます。
講師はミシェル・ベロフ、TVを見て練習すれば効果抜群、
ぐんぐん上達、かも。
曲は「亜麻色の髪のおとめ」「水の戯れ」「舟歌」
「スカルボ」「月の光」「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」
「雪が踊っている」「小さい羊飼い」
「ゴリウォーグのケークウォーク」「道化師の朝の歌」
「金の粉」「沈める寺」「花火」「聖母の最初の聖体拝受」です。
ドビュッシー:ピアノ作品全集
フランス人ピアニスト、ベロフによるドビュッシーピアノ全集。理知的で明晰な演奏であり、録音も素晴らしいです。暖かなモニク・アースのドビュッシーも良いですが、負けず劣らず素晴らしいドビュッシーです。これほどの表現力のあるドビュッシーもめったにありません。ぜひ、聴いてみて下さい。
追記:DENONクレスト1000で分売されているのですが、全5枚中4枚がレコード芸術特選、残り1枚がレコード芸術準特選に選ばれています。驚異の名盤だといえるボックスセットです。
ドビュッシー&ラヴェル:2台ピアノのための作品集
ヴォフカ、ウラジーミル・アシュケナージ親子による6曲の「2台のピアノのための作品」集。ドビュッシーとラヴェルから、それぞれ3曲ずつが選び出されています。この一枚を聴くのに、このパートは、ウラジーミルかな、ヴォフカかな、と思いつつ聴くのは、大変な楽しみです。これは、ウラジーミルか、と思っていると、どうも、違うようだ、ヴォフカかな、と思っているとまた違うようで、楽しさが倍加します。
それは兎も角、沈潜するパートは、実に繊細で美しく、また、強打のパートは、ペダルに頼らない、強く迫る音の粒立ちになっています。ウラジーミルの未だ衰えを知らない、粒立ちの良い音色と打鍵、ヴォフカの親に引けをとらない音色と打鍵、十分に堪能できる一枚です。極めて質の高い上手の手による、20世紀前期の音楽をエンジョイ出来ます。
ベスト・ピアノ100
既に多くのレビュアーが書かれている通り、これだけを以って作曲家や演奏家が込めた意図を十全に味わうことは出来ないでしょう。
作品に対する浅い理解しか生まないのではと危惧される方がいるのも尤もです。
好みに応じて聴きかじる事で、得られるものも失われるものもある事は、クラシックとジャンル分けされている音楽に限った事では在りません。
ただ、音楽との接し方にはバリエーションがあって良いと思うので、本当に最初の一歩、「カタログ」を見る様に、
虚実の相見える「クラシックの権威」に捕らわれない機会を提供している、という価値はあるのではないでしょうか。