ルー・ドナルドソン・カルテット・クインテット・セクステット
アート・ブレイキーのバードランド夜においてパーカーが乗り移ったようなすごいソロで天才クリフォード・ブラウンと互角勝負をしたアルトのルー・ドナルドソン。その後の活躍ではソニー・スティット、ジャッキー・マクリーンらと比べてやや目立たないせいか、それほど高い評価を受けていないが、実力的には一歩も引けをとらない筋金入りのパーカニストである。1952年と54年の録音だが、演奏の質はまったく古さを感じさせない見事なものである。乗りのよさではスティットをしのぐものをもっているだけにもっと活躍の場があればと悔やまれるプレイヤーである。ここでは4,5,6重奏の編成でサイドメンもホレス・シルバー、エルモ・ホープ、ブルー・ミッチェル、ケニー・ドーハム、アート・テイラー、アート・ブレイキーなど豪華である。パーカー直系の中でも野性的なスリルに満ち溢れたドナルドソンは、バップの申し子といえそうだ。