Wild Heart
かつて渋谷陽一がロック界の三魔女として、ケイト・ブッシュと中島みゆきとこの人を挙げていました。彼女らは共に70年代半ばに現れ、謎めいた雰囲気と情念な歌世界を繰り広げたという点で一致していましたが、当時の進歩主義に対する反動が人間の持つ“魔”のようなものを求めたのかもしれません…“マクベスの魔女”を意識したかのようなジャケット、コクトーの“美女と野獣”にインスパイアされた優美なバラード、ドリームスを彷彿とさせる名曲“ブロンドの魔女”…確かに前作を踏襲した作りですが、彼女の魔女的なイメージが最も生かされた作品です
100%
安心してジンジャーを応援できる。
年齢的には、もはや全盛期のWiLDHEARTSのような
唯一無二のオリジナリティ溢れる楽曲を求めるのは酷だが、
稀代の名ソングライター(個人的には、彼を超える人材はまだ出てきてない)は
これほどハイクオリティなアルバムなのに、
かくも“あっさりと”つくってしまうのだ。
そしてこの才能は、
ピークを過ぎてなお世界トップレベルである。
最近の活動に疑問符を抱いていたり
ソロ作品にどうも入れ込めなかった古参ファンでも
かなり楽しめる作品になっているので
どうか食わず嫌いではなく、聴いてみてほしい。
もちろん、初めてジンジャーの音楽に触れる人たちにも
安心してオススメできる内容だが…驚くことなかれ。
ジンジャーの作品(キャリア)には、
このアルバムを凌駕する作品がまだまだたくさん存在するのだ。
余談だが、本作はプレッジ(ミュージシャン支援SNSという感じ)を通して選出された
いわばベスト盤。
残りの楽曲は「555%」として、出資した人だけが手に入れているが、
どうやら輸入盤で入手できる日も近いよう。
本作を気に入った方は、更に数十曲を聴く楽しみが残されている。
ミュージシャンが音楽で食うのが難しい時代だが、
この才能をフルに活かし、
これからも気負わず良質な楽曲をつくりつづけてもらいたい。
P.H.U.Q
当時ナーバナを筆頭にパールジャム等グランジ/オルタネイティブがブイブイいっている時に、ウジウジしていた僕の心を一発でスカッ!とさせてくれた作品。間違いなく怒名作。「俺が聴きたいロックを誰もやらんから、俺がするわ!」と咆えた愛すべき憎まれっ子ジンジャーがコンポーザー&ボーカリストとしての才能をいかんなく発揮し、そこに存在するものはアンチポップの音肖像…。ひねくれながらもメロディアスで心打たれる歌詞、素晴らしきフックのオンパレード。今なお色あせない輝きを放っている。「ビートルズミーツメタリカ」の比喩表現を見事に昇華させた歴史的怒名盤。ワイルドハーツは地球に勝利した!!
ザ・ベスト・オブ・ワイルドハーツ
最初聞いたときはまあまあかなあと思った。しかし、これだけ絶賛されているから良いはずだと何回も聞き込んだ。そしたら、どの曲も頭から離れなくなった。へヴイなのにポップでキャッチー。だから、飽きにくい、聞き込める。素敵なバンドだよ。