タケヲちゃん物怪録 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
(あらすじ)何者かの祟りによって不運に取り憑かれたタケヲちゃん。上から物が落ちてきたり、ドブに嵌ったり沢山の不運に巻き込まれる人生。恨まれ嫌われ疎まれるのは、タケヲちゃんにとって普通のことでした。書類の行き違いで学校の寮に入れず、代わりに紹介されたのが妖怪屋敷の百鬼荘。そこに住む妖怪たちと関わるうちにタケヲちゃんは徐々に人間らしい感情を取り戻していく…というストーリーです。(感想)不運から身を守るため、ゴーグル・ヘルメット・プロテクター等で完全防御するタケヲちゃん可愛過ぎ(笑)あまり感情を表に出さないタケヲちゃんがたまに見せる嬉しそうな表情にほっこりしました。ヘタレ大家にツンデレ妖怪たちもいい味出してます。とよ田先生はマイペースキャラを描かせたら日本一ですね。期待を裏切らないハートフルなお話でオススメです。
もののけ侍伝々 京嵐寺平太郎 (静山社文庫)
京嵐寺ともののけたちのコミカルな会話が心をなごませてくれる。
ツンデレの白狐のおきんや、妖怪大将のくせに魔物が苦手の三つ目入道がなんともかわいい。
怒ると鋼の身体をもつ鬼も一刀両断するが、斬る気がなければ豆腐も切れない妖刀茶丸もいい。
この先どうなるのか、続きが楽しみです。
稲生物怪録―平田篤胤が解く
夏は妖怪が元気になる季節。怪談とホラーとの決定的な違いが判る一冊ではないかと思う。天井から青瓢箪がぶら下がる怪、畳のヘリが反り返る怪、串だんごのように刺さった頭がぴょんぴょん跳びはねる怪・・可愛らしいのは、江戸期のゆとり。
荒俣氏が「本気」を込める一冊は、さして多くない。
もっけ(勿怪) 1 アフタヌーンKC
民俗学者である柳田國男(やなぎたくにお)は、妖怪の名前を全国から集めた『妖怪名彙』という文章の冒頭に、研究の理由を、「怖畏と信仰の関係」というように明記している。もし、妖怪がこの世界に実在し、それが見えも感じられもしたとしたら。人間は、どのように自分の人生を、生きていくことができるのだろうか。霊能力のある二人の姉妹が悩み苦しみつつ、その状況を受け入れていく過程が、瑞々しく語られている。このマンガは、日本人の信仰心が、自然が失われていく現代という時代に、如何に生き残ることが可能かという思考実験である。