インファナル・アフェアIII 終極無間 [DVD]
インファナル・アフェア完結編。ヤン殉職前後の2つの時期に焦点を当てつつ、水と油のように見えて奇妙に絡み合い同調するヤンとラウの人生の軌跡を描ききる。
第1作のラウvsヤン同様、ラウとヨンの頭脳戦が展開されると思いきや、ラウの物語は徐々に歪み始める。自らの警察官としての立場を守るために人を殺めてきたラウは、罪悪感から亡者の幻影に悩まされるようになる。そしてヤンのかかりつけの精神科医を通じてヤンの人となりを知るうちに、「善人」のヤンに憧れ、無意識のうちにヤンと己を重ね合わせるようになる。マリーとの離婚問題、ヨンとの心理戦で神経をすり減らしたラウはやがて精神に異常をきたし、ついには自らがヤンであると錯覚し始める。
不気味にだだっ広く無機質で血の臭いのしない署内の一室に1人篭もるラウの姿は、誰にも語れない秘密を抱えるがゆえに孤独を強いられるラウの心象世界を反映している。
本作のテーマは華麗な知能戦でも派手なドンパチでもなく、ヤンとラウの心の闇そのものなのである。この第3作によって、『インファナル・アフェア』は最早ギャング映画ではなくなった。まるで、壮大なSF作品だと思って観賞していたら、いつの間にかシンジ君のインナースペースの話になっていたエヴァンゲリオンのようだ。この転回は凄まじい。
ラスト、死ぬことすらできずに狂気の世界を彷徨するラウ。それはまさに永遠の責め苦に彩られた阿鼻叫喚の地獄である。そして「善人」と思われていたヤンの意外な実像も明らかになる。ほんと救いのない話だ。
本作では一貫した時間軸の下で物語は進行せず、時系列はグチャグチャである。ヤン生前の2002年と、ヤン死後の2003年を行き来する複雑な構成をとっている。しかも、どこまでが現実で、どこからが妄想なのかもはっきりしない。これも無闇に難解にしたわけではなく、現在と過去、現実と妄想が入り乱れた白昼夢的な映像によって、時間と空間の観念すら存在しない「無間地獄」を表現しているのである。一番最後に、ヤンとラウが初めて対面する「始まりのシーン」に戻るという無限ループぶりが恐ろしい。
そう、この現世こそが地獄。
アンディ・ラウとトニー・レオンは相変わらず素晴らしい。亡霊に取り憑かれ錯乱するラウ、優しい笑顔が素敵なヤン。ヨン役のレオン・ライ、ツンデレ女医役のケリー・チャンも良かった。
インファナル・アフェア 3部作スペシャルパック【初回生産限定】 [DVD]
一作ずつレンタルで鑑賞してたのですが、
三部作スペシャルパック、しかも初回限定に惹かれて買っちゃいました。
やっぱり続きで一気に観ると、さらに深いなぁと♪
なにが正義でなにが悪なのか、葛藤する姿がいいですね☆
ショーン・ユーとエディソン・チャンの演技も光ってます♪♪♪
「インファナル・アフェア」オリジナル・サウンドトラック
トニー・レオンとアンディ・ラウが、オーディオ・ショップで聞いていた女性の歌が入っているかもと思い、購入したが、結果は入っておらず残念!。同じ様に考えられたら、要注意です。
でも、音として映画をイメージできるので、やはり買ってよかったかも。
インファナル・アフェア III 終極無間 [DVD]
月並みな言い方だが、とにかくこのシリーズはすばらしい作品です。
テーマやモチーフ、ストーリーに、演出、映像に俳優陣の卓越された演技。
この作品に関わったすべての人たちの“映画”に対するクールで
にえたぎる熱情さえ“ぐーっと”感じられる逸品!です。
なんて言うのかな、抑えめでありながらも、ひめたる強い魂というのかな、
ハリウッドのような分かりやすさではなく、それこそ“無間”という
言葉に代表される、人間の複雑で果てのない深遠な性質、というのが
よく表現されています。いわゆる、これが「アジア」らしさ、とも言うのでしょうか。
主役二人ももちろんすばらしいのですが、個人的にレオン・ライと
チェン・ダミオンにも拍手!特にレオン・ライのあの存在感はなんなんだろうなー。
知的で繊細そうでありながらも、底知れぬ男らしさ(野生やたくましさ)
を感じる。めちゃめちゃカッコよくないですか!?
チェン・ダミオンも、まさに大陸的アジアのオトコ、という雰囲気で釘付け。
同じアジアでも、日本人にはあんな雰囲気をだせる俳優なんて
正直一人もいないなー、と思いつつ、やっぱり大陸の迫力・香港の圧倒的な
映画制作レベルの高さを思い知った気もしました。