狂風世界 (創元SF文庫)
先ごろ亡くなったJ・G・バラードの長編処女作とのこと。創元SF文庫の復刊フェアとういうことで、新本で入手したのだが、奥付けを見ると初版は1970年!
確かに、内容自体はパニックものとしては、ちょっと古臭さは否めないし、バラードらしさがあるかといえば、それもあまり感じられない。
内容としては、原因はよく分からないが、世界中を強風が吹きまくり、地上の建物も吹き飛ばされ、人類の生存さえ危ぶまれているという状況のもとで、大富豪の陰謀が計画されているという、自然災害パニックSFとなっている。
強風といっても、半端ではなく、時速何百マイルというとても有り得ないぐらいの設定。今だったら、環境問題、地球温暖化に絡めて、難しい科学議論を説明するところだけど、バラードは一切、その災害の原因とか、それを止めようとする人間の努力などが描こうとせず、むしろ、その状況で為す術もなく、往生している人類の有り様をリアルに描いている。
ただ、その中で、そういう理不尽とも言える自然の振る舞い対して、敢然と立ち向かう人間の存在(まるで風車に向かうドン・キホーテのように)とそれをあざ笑うかのような自然の暴威を対比させ、人間体自然という構造の無意味さのようなものを感じさせる。40年前の小説とは思えない。
シェッドレイン 自動開閉 強風対応 3段 折りたたみ傘 ブルー
柄を肩に当てて斜めに差すと
雨が中に入ってきて濡れます
柄を地面と垂直にしないと濡れます
が・・・強風の日の耐久性はそこらの傘とは
比べられないほど強く重宝してます