Here's Lee Morgan
リー・モーガン(trumpet), クリフォード・ジョーダン(tenor sax), ウィントン・ケリー(piano), ポール・チェンバース(bass), アート・ブレイキー(drums) 1960年2月3日録音
1960年という、まさにモーガンが絶頂期に録音された一枚だ。サイドマン達も豪華な顔ぶれ
で申し分なし。
ここでの1曲は、やはり名バラッドの「I'm A Fool To Want You」だね。リー・モーガンと
いえば「クリフォードの想い出」が有名だが、ここでの演奏も、本当に歌心に溢れていて
感情的で感動的な名演だ。
そして脇で支えるケリーの叙情的なピアノタッチがあり、ジョーダンの重厚でメロウなテナー
がそれを包み込むと・・・素晴らしい仕上がりだ。
モーガンの足の長さが際立つ洒落たジャケットもいいね!足なげぇ!
仮面の花嫁 (ハーレクイン文庫)
長年疎遠だった冷酷冷徹祖父が画策し、ヒロインのアリージアは、憎むべきフィオルキス一族のセバスチャンと政略結婚することに。
ヒーローの、典型的「ギリシャ男」際立つ、傲慢かつ支配的で保護欲溢れるところ、半端なし。ヒロインの背負う過去の悲劇と現在の軛が、これまた健気な気質にしなやかな強さを演出して、文句なしにかわいいっ。
サラ・モーガンの著書の中で、一番好きな物語です。
セバスチャンはアリージアのことをセレブなパーティガールだと思い、アリージアはセバスチャンのことを祖父と同じ冷徹人間だと思っています。
よく知らない者同士の、反発と衝突とすれ違い。
ですが、お互いに惹かれあっていくばかり。
互いが実は敵ではなく、互いに愛する者と認識した瞬間から、セバスチャンの態度が変わります。
アリージアを彼女の祖父から守るべく、立ち上がります。
すばらしい!
これぞ、ヒーローですよー!
情熱的で俺サマだけど、有能な大富豪という設定通りに、アリージアの本質をちゃんと早々と見極めて行動に出るあたり、「できる」男なんです。(ロマンスものでは、すれ違うだけすれ違って、たまにヒーローがヒロインのことに気づいてあげるのが遅かったりしますもんね。そこらへんの、うじうじもじもじ、ありません。すっきり爽快なのです)
これぞ、ロマンスの王道と言えましょう。
グレイティスト・ジャズ・シリーズ トランペット・キングス [DVD]
個性的なトランペッターの演奏シーンが満載。必ずしも全曲ではないですが、各楽器がソロを取る演奏形態からすれば、効率的な編集だと思います。
音だけを一生懸命聴いてきた私にとって、リー・モーガンの演奏しているお姿を拝見するだけで涙モノ。演奏に集中しきっているマイルスの表情もいいですね。アート・ファーマーの顔がデカイとか、映像ならではの(無駄な)発見もあります。
この作品は、トランペッターだけでなく、音楽家全てを啓発するでしょう。どの演奏にも、「自由」が溢れています。ジャズのソロフレーズを音符に書けば陳腐なものですが、人が吹くことによって実に生き生きとしてきます。コルネットだろうがフリューゲルだろうが、はたまたバリサクだろうが関係ないのだと思い知らされます。
演奏者のアンブシュアやフィンガリングを比較研究できる点も好ましいです。
ジャズトランペットの映像資料は現在それほど多く出回っていないのではないでしょうか?さらに本作品のようなオムニバス形式の編集モノとなると、生産がずっと続く保証はまったくありません。入手できるうちに入手しておいたほうが・・・。