深緑
元ブランキー・ジェット・シティのベンジーとUAが中心になって結成したバンド、AJICO。このふたりの共通点は、かたやロックンロール、かたやソウル・ミュージックという体温の高い音楽をやっていながら、非常に冷たさを感じる表現を今までしてきたことだ。ドライアイスにさわると火傷すをするように、冷たすぎて逆に熱さを感じるような肌触り……そんな音楽をやってきたふたりの音が交わったとき、どんなことが起きるのか?まずはそれがこのバンドに対する興味だろう。その点、1stシングル「波動」ではUAの声とベンジーのギターの相性の良さを感じさせてはくれたが、それはUAのアルバムですでに証明済み。で、本当の答えを用意してくれたのが2ndシングル「美しいこと」だ。この曲はベンジーがメイン・ボーカル、UAがコーラスをとったナンバーだが、ふたりの声が決して混じらない感覚は、一瞬不協和音にも思える。ただそれは、交わってひとつのカラーを作る普通のコーラス・ワースと違うというだけで、互いの声は相手の声を生かす役割を果たしている。甘いものに塩をひとつまみ入れると甘さの輪郭がはっきりするように、今まで彼らの音楽の印象をぼんやりと感じていた人もこれを聴けばとてもクリアにそれが見えてくるのではないだろうか。ドラムの椎野恭一、ベースのTOKIEも含め、メンバーの個性が渾然一体となってひとつの大きなグルーヴを作るといったタイプのバンドではないが、個性が個性のままむき出しになってゴロゴロ転がって行く感じがこのアルバムにも詰まっている。
それでも町は廻っている 1 [DVD]
春は迷い猫オーバーラン。夏はみつどもえ。そして秋はそれ町が自分にとってのリピートアニメでした。オンエア版は二話から見初めて面白かったのでスグに一話をハードディスクから探しだしミテハマッタ。ストーリーのペースはアニメ版けいおん一期なみのテンポですぐに季節が変わりあれこの回のこの娘達何年生とか思ったり。話事態はわかりやすくほとんど説明とかいらないくらい。販売版ではパンチラ解禁とゆうことは八話の紺双葉のあのシーンもパンチラなのか?五話のタッツン階段ジャンプもパンチラ解禁なのか。それはそれで楽しみでもある。紺双葉のパンチラ気になる。時間がある時ツイツイ見ちゃう自分にとってはそれ町はそうゆうアニメです。
悲しいほどお天気
収録されている10曲はどれも質が高く、極上の短篇小説のような素晴らしい詩を持った作品群だと思います。勿論、曲の水準も相当高く、当時の音楽環境を考えますと時代をリードしていたのは間違いありません。
松任谷由実が、荒井由美時代の作品から少しずつ脱皮を試みた曲集です。イメージがアルバムごとに変るという批評もありましたが、やはり水準は高く今でも聞き惚れてしまいます。リアルタイムで聴いた発売当時の郷愁だけではない作品の存在感がそう思わせているようです。
冒頭の「ジャコビニ彗星の日」はその時代を生きた者だけが共有できる現象を歌に読みこんだもので、私小説的な味わいが感じられます。歌詞にも書かれたジャコビニ彗星が流れた1972年というとユーミンが18歳の時にあたります。多感な頃の思い出を読みこんだものなのでしょうね。
3曲目の「緑の町に舞い降りて」のポップな感覚は今聴いても色褪せません。
♪MORIOKAというその響きがロシア語みたいだった♪という印象的なフレーズが記憶に残ります。このような捉え方がユーミンらしさを生んでいるのでしょう。
ハイ・ファイ・セットもこの「緑の町に舞い降りて」を収録しており、大川茂さんのヴォーカルが味わい深いです。
アルバムタイトルにもなった「悲しいほどお天気」の歌詞を見ますと、美大を目指していた頃のユーミンの姿を彷彿としますし、「個展の案内の葉書き」の歌詞は、実話に基づいている、とユーミンも話していますので、相当私小説的な要素が強いアルバムなのは間違いありません。
今でもコンサートで歌われる「DESTINY」が収録されていますので、1979年12月に出たこのアルバムも再び若い世代の方々に聴いていただきたいと思っています。
緑の街
誰でも昔のことを思い出す瞬間がある。
若さ故の過ちも、今では笑い話でも、あの頃は真剣に思い悩んだこと。
下手すれば感傷的になってしまうけど、この曲の優しく雄大なメロディ
が優しく心にしみいり、とても優しい気持ちにしてくれる。
そして勇気が湧いてくる。
過去を振り返ってくじけそうになったときに聴いて欲しい。