Metal is Forever
2006年にリリースされた、ドイツのメタル・バンドのベスト・アルバムです。
こちらは輸入盤で2枚組です(日本盤は1枚)。
Sinnerのマット・シナーと元Gamma Rayのラルフ・シーパースが中心の正統派のメタル・バンド。
若い頃のJudas Priestのロブ・ハルフォードを彷彿とさせるラルフの声は強力、楽曲の質も高いです。
選曲は、毎回のように良質なアルバムをリリースしている彼らの6thアルバムまでの曲から16曲をセレクト。
選曲は個人的にはなかなか良いと思っています。
収録曲は日本盤と若干違っていて、日本盤にはボーナス・トラックがありますが、
こちらには日本盤には無い「Running in the Dust」が収録されています。曲順も少し違います。
アルバムのタイトルにもなっている1曲目の「Metal Is Forever」の曲名からしてメタル愛が感じられます。
この曲はラルフのキンキンした金属音も炸裂していてインパクト大です。
正統派メタル好きなら聴くとテンションが上がるような熱い曲が多いですが、
「Seven Seals」「The Healer」「Tears Of Rage」のような落ち着いた曲も入っています。
DISC2はカヴァー集です。
「Out In The Fields」はGary Moore、「Kill The King」はRainbow、「Speedking」はDeep Purple、
「Die Young」はBlack Sabbath、「Metal Gods」はJudas Priest、「Breaker」はAccept、
「Seek and Destroy」はMetallica、「2 Minutes to Midnight」はIron Maiden、「The Rover」はLed Zeppelin、
のカヴァーです。面白い選曲・カヴァーになっていると思います。
Primal Fearを初めて聴くのに良いベスト・アルバムだと思います。
正統派メタルが好きでPrimal Fearを聴いた事が無い方にはオススメしたい一枚です。
16.6(ビフォー・ザ・デヴィル・ノウズ・ユー・アー・デッド)
どの曲も良く練られていて、完成度の高いアルバムだと思います。
全曲の解説を、マット・シナーが書いているのが、とても嬉しいです。
下らない、解説者の解説など必要ありません。
優れたギタープレイも、ラスト、トライブ以来の、マグナス・カールソンの歌声も聴く事も出来ましたので、とても満足しています。
Vo.が4人もいて、殆んどのメンバーが曲を作れるバンドは、そういない気がします。
メンバー全員の技術が優れているバンドです。
スピード感溢れる曲から、メロディーが覚えやすい曲、重く低く重厚な曲といった具合に、
メタルファンの期待に、十分に応えているアルバムだと思います。
メタルファン必聴なり!
真実の行方【字幕版】 [VHS]
他の方のレビューで知りました。
エドワード・ノートンのデビュー作なんですね。
DVDがなく、TSUTAYAがスタンプカードだった頃に、
店内で本作のパッケージ裏を見て、
“面白そう”と感じたことを強烈に覚えている映画です。
当時は、ラストに驚きました。
ストーリーに、ということもありますが、
本作はやはり、エドワード・ノートンでしょう。
アカデミー賞助演男優賞ノミネート、納得の演技です。
残念ながら同年には『ザ・エージェント』の
キューバがいたので仕方ありませんが、
受賞してもよいくらいの、素晴らしい演技を披露しています。
しかもデビュー作とは・・・。
『ファイト・クラブ』や『アメリカン・ヒストリーX』などでも、
高い演技力を披露していますが、
個人的には『ラウンダーズ』での演技も印象深いです。
非常に個人的な見解ですが、
彼の演技は、映画の世界観に説得力を与える力があるような。
デビュー作である本作では、その片鱗が十分にうかがえます。
現在はDVD化されていますので、映画ファンならずとも、
彼の演技を見るだけでも、一見の価値のある作品と思います。
Primal Fear
Diehlの本は、はっきり言って文章も複雑で いきなりPoeticになったり、ストーリーが 何本も複線があったりして途中で投げ出したく なる傾向があるのだけれど、このシリーズ (この書と続編は少なくとも)は、サイコサスペンス としての位置付けがはっきりしているから 文字通りジェットコースターのノリで最後まで ノンストップ!
クセのある弁護士Martinとの戦いは、まるで、 ロッキーとアポロクリードの壮絶戦。1度で勝負が つかず、再度挑んで行く状況が読む側には たまらない。 でも、2Rくらいでやめといてもいいかもね。
真実の行方 [DVD]
デビュー作の『ラリー・フリント』のE.ノートンを知っていただけに、もうすっかりこの映画の彼にはやられてしまいました(全然違いますよ)。本当に凄いです。この後彼は『ファイト・クラブ』や『アメリカン・ヒストリーX』で完全に時代を飲み込み、2000年代最高の俳優であるとの評価も高いのですが、今もってこの映画の彼を超える衝撃はないと思われます。
もともとこの映画には素晴らしい原作があって、そこでは色々な人物に深みのある設定がなされていて、非常に味わい豊かな一作となっています。映画だけを見ると一見蛇足的に見えるエピソードも、原作では一つの大きな潮流を形作っているのです(例えば宅地開発に伴う名士と地元マフィアの対立、そして法廷での復讐なんかがそうです)。夜の酒場での会話や、法廷のライバルとなった元恋人を翻弄しつつも申し訳なさを抱える主人公、そして女性であると言うことの足枷に直面せざるを得ない元恋人…。細部がしっかり撮られているのです。だからこそ最後の大どんでん返しが映えるのです。
主人公のベイルは色々な欺瞞に挑み、闘っていきます。大司教の悪徳、町の名士の汚職、法曹界の権威、果ては名声を追い求めて目的のために手段を選ばない自分自身とも。しかし最後の最後、本物の「悪」と対峙した時、自分が達成しようと努力していたものが所詮ヒロイズムに過ぎなく、そしてあまりにも無力であったことに気付かされ、そして「根源的な恐怖=primal fear」に対面するのです。この映画のラスト、R.ギアの後ろ姿が切ないのは単に「恐るべき真実」に打ちひしがれただけではないのです。かつて観た『チャイナ・タウン』や『ガルシアの首』のエンディングの余韻に近いものがあります。E.ノートンの存在あってこそこの映画は語り継がれていくのでしょうが、しかしもっと正当な評価をしてあげたいと思うのです。名作です。