いつもこの人の天衣無縫な声で荒涼とした所に連れていかれるのに、今回はあまり響くものが無かった。
前作までに見られた溢れるような才能の奔流が感じられなくなった…。
竹村さんの作品でも以前はいろんな場所に行く事が出来るたに、今回は難しかった。
何故だろう。今まではこの2人の作品で旅出来たのに、何でだか今回はとても難しく感じてしまった…。
何だかモヤモヤした感覚が残った。
初めて彼の作品を耳にした人は戸惑いを覚えるかもしれない。無機質ともいえるような感情を排したシンセ音に、様々な電子音がミニマルに編み込まれた彼のトラックに。当然だ。全く新しい独自の音というものには、耳が慣れていないからだ。私がこのような『違和感』を感じたアーティストは、実はエイフェックス・ツインと竹村延和だけである。しかしそのように感じても『美しい』ということは否定できないはずだ。まだ彼の音楽を聴いたことがない方には、ぜひこの作品を聴いてみてほしい。きっと純粋な『美』を発見できるはずだ。
EYEちゃんのコメントがすべてだと思います。
原始的なジャングルに迷い込んだようなドキドキ・ワクワク感。
一音一音が持つ生命力のエネルギーに圧倒されてしまいます。
息苦しくなってしまうくらい。
「美しいメロディというのは実はある程度計算できるもので」、「現代の一般的ポップスは、いまだに昔の和声に添った楽曲が多い」、「ある種のコード進行には嫌な意志を感じることがある」、「機械が歌うのが究極」。以上の竹村氏による発言はこのアルバムの特徴を端的にあらわしている。 常套句的な進行を避けた和声連結。細部まで計算、展開された美しいメロディを歌うスピーチマシン。 音響系、エレクトロニカというと、音響の探索だけに終わってしまうものが少なくない中、真に『音楽』そのものを探究している事が素晴しい。 個人的には、ボーナストラックのM16が好き。「ラーソーレドレミー」という部分は泣けます(笑)。本当に。
リミックスとは解体し、解釈を加えて再構築する作業です。ゆえに既にあまりにも完成されてしまっている楽曲の姿は、リミキサーを、そしてリミックス品を聞く私たちをも尻込みさせるものです。 ですが、安心してください、そこ行くお兄さん&お姉さん! 決して楽曲は死んではいません。壊れてもいません。そのエッセンスは凝縮されて、新しい形で紡ぎ出されています。完成と解体。そのぎりぎりの境界線の上にこのアルバムは存在しているのです。それを中途半端とみなすか、愛ゆえにと涙するか、その判断はあなた次第。 珠玉のメロディと職人たちの愛と技が集結したこの傑作を聴き逃すのは、本当に損ですよ。 (なかでも「悪玉」はいろんな意味で最高でした(笑))
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