癌にかかった奥さんのために、 作家でもある作者は 毎日、1日1作品を奥さんにプレゼント。 このエピソードだけでも泣けてきますが、 本文はもっと泣けます。 さすがに1778話は載せられませんが、 ピックアップされた文を順番に 読むだけでも時間の経過が感じとられます。 もし、あなたの愛する人が死ぬとわかった時に 何をしてあげられるでしょうか?
愛する人がお医者さまに余命一年と告げられたら、あなたはどうしますか?
日本SF第一世代の作家の中でも、失礼ながらとびきり地味な眉村卓の場合は、愛する妻のために病苦が少しでも和らぐように、明るい気持ちになるようにと、毎日一編の掌編小説を書き続けました。
その数1778編、つまりおよそ5年の歳月。考えるまでもなく、書かなくなる日は・・・愛する人がこの世からいなくなる日、です。 お医者さまでもない彼ができることは、たかだかそれだけのことでしかありません。 否、この世でもっとも愛する妻のために、何の打算もないそんな無茶な、作家にあるまじき狂気じみた行為ができるのは、ただひとり私しかないという厳粛な自覚があったはずです。
そのために築いてきたSF作家としての地位や名声などいかほどのものか、そんなものは無に帰してもいいとさえ思ったはずです。 もっとも、SF作家が純愛ものや愛妻物語を書いて悪いわけがありませんが。
ということで、筒井康隆や山田正紀のようにSF作家がミステリを書いた例はありましたが、日本で初めてSF作家が妻のためにSF以外の普通小説を書いた例になりました。
光速宇宙船も超能力も出てこない、未来社会の新たなる人間関係を模索したあの名作『消滅の光輪』や、筒井康隆の『時をかける少女』に匹敵する映画化されたジュブナイルの傑作『なぞの転校生』や『ねらわれた学園』、ジュブナイルでありながら大人にも読みごたえがある、一種の教養小説つまり成長物語である『不定期エスパー』などSF愛好家以外にも広く読まれてきた眉村卓ではありますが、今まさにみごとなとびきりの輝く大輪の花を咲かせて、もっともっと広く読まれようとしています。
それにしても、愛する人との死別に直面するということがどれほど悲痛で絶望的で衝撃的なことかは、おそらく体験した人しかわからないでしょうが、かつて愛妻ガラが死んでしまうと抜け殻のようになってしまったサルバドール・ダリでしたが、近年でも城山三郎が「そうか、もう君はいないのか」と亡き妻を回想し、「センチメンタルな旅」とエロ写真家のせめぎ合いでは妻の死の哀しみからすっかり非エロ化が著しい荒木経惟ですし、妻が死んだら後を追うと公言してはばからなかった田原総一朗や、妻の死から起ち上がるには「いまも、君を想う」という一冊の本を書くしかなかった川本三郎とか、果ては「妻と私」を書き遺して妻の死後およそ八カ月後に自殺してしまった江藤淳など、さまざまなケースがありますが、奥さんばかりが想われているようですから逆の例をひとつ。 画家のアメデオ・モジリアニが死んでしまうと悲しみのあまり妻のジャンヌは、二人目の子供を身ごもっていた妊娠九カ月の身重で、2日後に飛び降り自殺をしてしまいました。 ええっと、できれば経験しないで、つまり先に逝ってしまうにこしたことはないと思います。
もしあなたの愛する人がお医者さまに余命一年と告げられたら、あなたは何をしますか?
記述日 : 2011年1月22日 16:34:43
『僕と妻の1778の物語』ですが、見るも涙の愛妻物語です。大腸癌で死ぬ妻の最期を見取るターミナルケアの映画です。
私は、はからずも二度泣いてしまいました。
当然、この映画の主演は、妻節子役の竹内結子と SF作家の朔太郎役の草ナギ剛なのですが、
大腸ガンに侵された妻のために1日1篇の小説を書き綴る夫・草ナギの愛妻ぶりに、
深夜の公園で叫んでいたという過去のアホなエピソードの草ナギのイメージはすっかり消え、
さすがは国民的タレントで、単にSMAPのメンバーだからじゃ無いとも云える深い演技で、
愛情あふれ夫(草ナギの演技に)の優しさに思わず「そうだー、そうだ」と、私は深く頷きました。
車椅子の傍らにいる母(風吹ジュン)に節子が、「生きていてー、あの人の小説を最期まで読みたいのー」と望む告白シーンに、
「そうなんだよな、愛し合う者同士って一生共に生きて幸せを共有したいものなんだよなー」と、また涙。
竹内結子は可愛い大女優になりました。
末期癌の痛みを和らげる為にモルヒネを投与して、病院のベットでもう意識も朦朧としている状態で、
朔太郎の作家仲間・滝沢(谷原章)を呼び、自分の死んだ後のことを頼んでいるシーンでまた涙。
監督は、ドラマ『世にも奇妙な物語』の星護です、心をくすぐる演出と、泣かせ所はよく心得ています。
たまには泣きたいという方には、この映画をオススメします。
私は、草なぎ剛さんの演技が好きになりました。
主題歌の「守ってあげたい」と薬師丸ひろ子の可愛らしさにめちゃくちゃ憧れまくりました。劇中に流れる音楽も画面にフィットしておりいい感じで盛り上げてくれます。情緒あふれるシーンも懐かしさがこみあげます。私の中では本当に大切な思い出の作品です。事件が全て終わり、夕暮れの中をひろ子ちゃんと高柳君が二人で歩くシーンは、いいなあととても羨ましくなりました。
『僕と妻の1778の物語』ですが、見るも涙の愛妻物語です。大腸癌で死ぬ妻の最期を見取るターミナルケアの映画です。
私は、はからずも二度泣いてしまいました。
当然、この映画の主演は、妻節子役の竹内結子と SF作家の朔太郎役の草ナギ剛なのですが、
大腸ガンに侵された妻のために1日1篇の小説を書き綴る夫・草ナギの愛妻ぶりに、
深夜の公園で叫んでいたという過去のアホなエピソードの草ナギのイメージはすっかり消え、
さすがは国民的タレントで、単にSMAPのメンバーだからじゃ無いとも云える深い演技で、
愛情あふれ夫(草ナギの演技に)の優しさに思わず「そうだー、そうだ」と、私は深く頷きました。
車椅子の傍らにいる母(風吹ジュン)に節子が、「生きていてー、あの人の小説を最期まで読みたいのー」と望む告白シーンに、
「そうなんだよな、愛し合う者同士って一生共に生きて幸せを共有したいものなんだよなー」と、また涙。
竹内結子は可愛い大女優になりました。
末期癌の痛みを和らげる為にモルヒネを投与して、病院のベットでもう意識も朦朧としている状態で、
朔太郎の作家仲間・滝沢(谷原章)を呼び、自分の死んだ後のことを頼んでいるシーンでまた涙。
監督は、ドラマ『世にも奇妙な物語』の星護です、心をくすぐる演出と、泣かせ所はよく心得ています。
たまには泣きたいという方には、この映画をオススメします。
私は、草なぎ剛さんの演技が好きになりました。
|