改めてオリジナル・ミカ・バンドの2006年再発盤「黒船」を聞く。
リマスタリングが冴えに冴え、クリス・トーマス氏の職人技術的な
音の輪郭が明確になって、名盤の誉れ、違和感無し。
特に幸宏氏のドラムス。
誤解を承知で書けば、グラム・ロックのドラムス。
バス・ドラ、タム・タムの格好良い響き。
これって、ロクシーのアルバムなの?と思うほど
重厚感タップリ。
翻って「ミカエラ・バンド」。
カエラ嬢のキュートなキャラクターと相俟って、チャーミングな
ロック・アルバムとなったのは間違いない。
但し、やはり、というか、20年以上も前の
ミカ嬢の圧倒的な、そして理解を拒絶するような
キャラクターのアクの強さに、当代きってのカリスマ・モデルをもって
しても、何とも大人しく彼女の真面目な性格が裏目に出た
ようなまっとうな音楽となってしまったようだ。
それとも60歳オヤジ達のロッカーぶりに困惑しただけなのか?
カエラ嬢とのタッグは恐らくこれっきりになるだろうが、出来れば
もう少しカエラ嬢、ブッ飛んでいただきたかった。
あれだけの美貌と、ストレートな歌声、そして芸能界自体を
ナメてるような不遜な態度。
かつてトノバンはミカバンドのことを「単なる酒飲み集団だよ」と言ったことがある。このDVD(特に特典ディスク)を見ながら、確かにその通りだと思ったが、そこにはまた別の意味が含意されていることに気付く。つまり、
人間として相互に尊重・信頼し合えるかどうか、そこにバンドとしての命があるということ。
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とにかく特典ディスクがよろしい。
レコーディング合宿の模様、PV撮影の舞台裏、コンサートリハーサル。
メンバーの素顔、完成前の音、本番で聴けなかった音、ユキヒロの衝撃の頭(鶴太郎)、sockernosをアコギで伴奏、コンピュータによる音程補正を暴露、アコギの微妙なフィンガーピッキング、原初音の「Narkissos」、「ヨッパライ」にこだわる高中、「これからは酒も抑え気味にいかないと」「俺も」「そりゃ嘘だ」(相互に尊重・信頼してる)、普段着のカエラ、言葉遣いが大人なカエラ、意外と音痴なカエラ(実力とは関係ないけど。あの曲はメジャーとマイナーが交錯するもんね)、カエラの歌入れにコック姿で現れるトノバン、太白ごま油、皆が朝食を食べているときに調理に専念するトノバン、アコギ一本でbig-bang(当初はコード進行が違っていたことがわかる)、「トノバン声大きい」に対して大音声の「あ〜た〜し〜は」、カエラが描いた「パブロ的」自画像、トノバンがカエラに英語指導、リハーサル前にトノバンが一杯(10杯かも。どうでもいいけど)、「on D」を忘れる小原、即興でレゲエ版タイムマシン、ユキヒロの手の絆創膏。とにかく楽しそう。遊びの天才、そして究極とも言える余裕! ユキヒロに対するトノバンの気遣いも十分に伝わってくるし、メンバーそれぞれがそれぞれを尊重しているということも見事に伝わってきた。(ユキヒロの十円ハゲはなかったことにします。)
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一方の本編は、、、雑誌のインタビュー記事で十分なような気がするし、何よりも、ミカバンドらしさが感じられないのが残念。滝本さん、力入り過ぎちゃったかな? あれやこれやと策を弄することなく、監督が感じた「ミカバンドらしさ」をストレートに表現して欲しかった。
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それにしても、これだけのメンツを擁しながらも言うかと思った重い重い言葉、トノバンらしいなと思った。
「うまくったって、人は感動しないじゃない」(加藤)
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いずれにせよ、2chでしかわめけない連中は嫉妬に狂うだろう、ふおっふおっふおっ。
BGM:サルバドル・アジェンデ最後の演説(1973.9.11 サンティアゴ・モネダ宮にて)
ライブをぶった切る編集はもともと嫌いなので、買ってからあんまりみていなかった。今回の事件(まあ厳密には事件でないのかも知れないですが・・・)で会話の部分とか演奏部分以外を見てみたいという気持ちになったら、この編集は実に良く出来た作品に様変わりしました。まだまだ団塊の世代のおじさんたちに元気を与えて欲しかったですね。カエラちゃんみたいな可愛い女の子をすっと一員にしたり加藤さんならではのサプライズ演出だったのに残念でなりません。
内容は伝わってこないし・・・価格が価格なので二の足、三の足踏んじゃいました・・・BEATLES関係者の興味ある回想本が何冊も出ているし・・・二冊買えちゃう・・・
まして「LIVEパンフ」は不満だったし・・・DVDは絶対買うし・・・
「ウ〜ん」状態だったです
しかし、一番欲しかったもので高価格も吹っ飛びました!
映画「SMB」のインタビュー・活字バージョンと未販売録音2曲ですが・・・
「これ、いいです!」
12月30日から何度も何度も読み返しています。
写真集は「LIVEパンフ+α」だからちょっと・・・残念。
私、ミカバンドのLIVEリアル・タイム参加派ですから・・・。
いまもって愛聴盤です。2日に1回は聞くかも。桐島かれんさんの妖艶な歌声に惹かれてよく聞きます。ミカバンドには3人のボーカルがいたことになりますが、カエラちゃんも好きですが、ミカバンドという意味ではこの桐島かれんさんが断トツだと思ってます。なんせ色っぽい。ため息がいい。ダシールハメット&ポップコーンなんかDVDもお見逃しなくです。色褪せないですね。技量ともに卓越したバンドです。
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