古内東子の凄さは、「空気」を運んでる事。初めて車のラジオから、彼女の曲がかかった時、車のなかが、せつない「空気」で満たされ、息苦しくなったのを覚えています。16の食と恋にまつわるエッセイですが、その「空気」を運んでくる感じは音楽と同じです。1章ごと、1回デートするような気分。一気には、読みたくない。恋人や、奥さんにも知られたくない、隠しておく本。
最初のアルバムから全て彼女の作る曲に心打たれライブにも足を運んで十数年、最近は仕事が忙しくライブすら行けない所にこのDVDは音質や画質に対して評価を忘れるくらい入り込んでしまいました。おそらく何回か見ていったら多少疑問点も出てくるんでしょうが、今は映像でもライブを見られた事が良かったですね。特に「逢いたいから」や「はやくいそいで」などは涙ものでした。
アルバム「魔法の手」リリース時のコンサートなので、同アルバムからの曲中心の構成もやむを得ないところですが、なんと言っても名曲(と勝手に決め付けてます)「誰よりも好きなのに」「宝物」「大丈夫」はバッチリ収録されていますから、これだけでも買う価値あり!ただ、彼女の曲の魅力のひとつであるTOKOハモリ(また勝手に決めてますが)~アルバムで聴かれる3重声のハーモニーのステージ再現については、コーラス嬢の声質が柔らかすぎてちょっと合わないな・・・というところが、う~ん、星5つ!といえないところ・・・。とはいえ、ビジュアル的にも十分TOKOの魅力を堪能できる1枚ではないでしょうか。
1995年北九州に赴任した際、当地CrossFMのヘビーローテーションだったのがストレングスでした。 その後いろいろあって、そう、“いろいろ”です。 で、所有していた彼女のCDはStrenght、Hourglass程度。
昨年末ビルボードライブ東京で彼女の初ライブ。 忘れかけていた何かを。 それからseveral以上のCDを購入。 本CDも。
で、この20周年ベスト。監獄ロックさんが書いている通りだと思います。 なんか昨年観た彼女のライブと通じるものがある。 売れ高のベストではない。 けれど彼女の曲に対する姿勢を簡単に知る点ではベストだと思います。
ただ困るのは彼女の曲にはまる現在の心境は、底辺なのか…。
前作がセルフプロデュースだったので良い意味でintimate、悪く言うとアマチュアでプリプロっぽい作りたっだことを考えると 本作の本編(disc1)は感覚的にIn Love Againの頃に戻った感じでプロデュースはほぼ完璧、 アレンジも無駄のない、メロディーを十分に聴かせるボーカルセントリックな音作りになっていると思います。 音数的にも派手過ぎず、地味過ぎず、非常にバランスの良い仕上がりだと思いますし、 AVEXに移籍後のアルバムの中では本作が一番古内ワールドを体現しているように思います。 私的にはアルバムの統一感から考えるとM5の”時間を止めて”はカットしてシングルバージョンとかで別物にしてリリースして欲しかった気がします。 disc2のCotton Clubのライブ(11/29の1stに行きました)で初めて聞いたM4”ここまで来るために”とM10”コンパス”は このアルバムを象徴する楽曲になっていると思います。
さてコットンクラブでのライブを納めたdisc2ですが曲間のMCが収録されていないのがちょっと残念です。 元々声量のある歌い手ではないと思っていますが改めて聞いてみると結構無理して声を出しているように聞こえる箇所が目立つかもしれません。 それでもM9”誰より好きなのに”を聞いているとサビの部分など、特に感情がこもり、一瞬でその世界に引き込まれる様な、 妖しい魅力に溢れた声を備えた大変ユニークな歌手だと思わせてくれたりします。
DVDは前作よりずっとまともに制作されていると思いますがオマケの域は逸脱していないと思います。
4月の渋谷公会堂が今から楽しみです。
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