知的障害者の恋愛というシリアスなテーマながら
観ていて気持ちが良い作品であること、これは非常に大きな長所。
軽い知的障害を抱える男女の恋愛から
結婚にいたるまで、カーラという女性側をメインに
相手のダニエルの気持ちも非常に見事に描いている。
ストーリーや台詞が良いのはもちろん、演技も光っていた。
ダニエル役のジョバンニ=リビージの演技には目を見張る。
カーラとダニエルの不器用な恋愛が
とても滑稽で笑えたり、でも純粋で切なかったりと
下手なラブコメディよりよほど恋愛映画として見ごたえがある。
おすすめ。
~カーラは知的障害をもつ女の子。母親は、とにかく彼女のことが心配で、何から何まで面倒を見たがり、自分のそばに置きたがる。でも、カーラは自立したい一心で、母親の反対を押し切って専門学校に進学する。 ~~ そこで、自分と同じように障害を持っている彼に出会い恋に落ちる。彼との出会いはカーラを思いをさらに自立の道へと導いていく。そして、姉妹の結婚を機に、彼との結婚を考えるカーラ。 障害を持つ子を思う母の気持ちと、自立したい子供の思いのすれ違いをリアルに、そして障害者の社会生活というシリアスなテーマを湿っぽさのない映像に仕上げている。~
初めての恋にとまどっている人、幾度目かの恋に傷つくことを恐れている人、永らくの恋に疲れている人にぜひ観て欲しい映画。カーラとダニエルは、周囲の人々が不可能だと思っていることを成し遂げる。二人のすばらしい経験や経験を通しての成長を追体験することで、心に訴えかけてくるものを素直に受け止めることができる。上流階級ならではの建前や世間体と親としての本音の間で悩むおかあさん(ダイアン・キートン)も魅力的。カーラの魅力は、彼女が入所していた軽度知能障害者学校の指導方針に影響されるところが多いと思う。「障害者でも自立が生きがいとなること」「なるべく周囲の目を引かない行動をとれるように自律することが社会生活に必要であること」「自分の思いを大切に自信を持って決断すればよいこと」といった理念には賛同する。カーラの生まれつきの気質もあるかもしれないが、自宅内だけで育っていれば、自立できていなかったと思う。そのときの担任の先生はカーラの結婚式に参列してくださったかな。
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