ヴェンゲーロフの「引退」に落胆したファンがどれだけこのときを待ち望んだことか。ホロヴィッツの「ヒストリカル・リターン」ほどの劇的さは無いとしても、それ以上の意味を持った奇跡の復活だ。
ロンドンのヴィグモアホールでのライヴだが、拍手も咳払いなども一切入っていない。プログラムは、バッハのパルティータ第2番とベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」がメインだが、これが実に対照的な演奏。自らの再起の歩みを確かめるような静謐なバッハに対して、ベートーヴェンは沸きあがる情熱に身を任せたような熱演。ピアノのゴランも見事に応え切っている。アンコールのヴィエニャフスキとブラームスに至っては、往年の力量を彷彿とさせる余裕の美演。ヴェンゲーロフの見事な「歌」が響き渡る。
ここにヴェンゲーロフは完全復活したと言ってよいだろう。今後この美音と歌がさらに磨きぬかれ成熟していくことに対し、否が応でも期待が膨らむ。この歴史的再起に、心からの拍手を送りたい。
ヴェンゲーロフの溌剌とした若さとみなぎるパワーが気持ち良いです。 ブルッフのコンチェルトは”考えに考えて”弾く曲ではないと思うので 彼特有の、激しいアタックをつけた情感たっぷりな演奏がハマっています。 特に1楽章が素晴らしい。 序奏から中盤の怒涛のオケパートを導くまでの引っ張り方が実に気持ち良い! ブルッフもこういう風に弾いてもらいたかったのでは?と思うような名演奏です。 メンコンも1楽章が気に入っています。 冒頭の有名な主題について彼は自伝の中で「どれだけ美しく、心を込めて弾けるだろうか」 …と、いうようなことを言っていました。 その言葉を反映したような、超絶的な美しさとせつなさはらんだ演奏です。
彼の演奏はややもすると「やりすぎ」と評されがちですが、 今回の曲に関しては、彼の重いくらいの(笑)強〜い気持ちが芸術に美しく昇華された名盤だと思います。
ヴェンゲーロフの天才的な超絶技巧の数々と情熱的な演奏には圧倒されました!
単に技術が優れてるというだけでなく、魂を奪われてしまうような不思議な魅力があるのです。
他の演奏家のCDと聴き比べてみると、少し早めの演奏が彼のテクニックを際立たせてると思います。
これが本当に17歳の演奏!?と驚くばかり....
選曲も非常に良く、ズービン・メータ指揮のイスラエル・フィルの迫力ある演奏も素晴らしいです。
この内容でこの値段は安過ぎると思いました。
このDVDはヴェンゲーロフ/バレンボイム/シカゴ交響楽団 他の演奏によるものです。
何と言ってもおすすめはシベリウス/ヴァイオリン協奏曲とアンコール曲でのバッハとイザイです。
ヴァイオリンからの直接音、シカゴシンフォニーホールの反響音のバランスがとても気持ちいいし、ヴェンゲーロフの余裕を持った技術力の演奏は聴いていてとても好感が持てます。
ヴェンゲーロフの渾身の演奏、優秀録音を是非聴いてみて下さい。
シベリウスのヴァイオリン協奏曲の決定版がない中、この演奏はなかなかの完成度だと思いました。
ファリャの曲は指揮がプラシド・ドミンゴでピアノはバレンボイムです。誰が指揮してもシカゴ響は万全だけど・・・だからこの演奏に関してはノーコメントにしておきますね。
「スプリング」の出だしの美音にクラッと来ました… ええっーそう来たの… 余りに肩の力の抜けた、しなやかで優しく語りかける様な弾きぶりにジャケットを見直した… んーっ、若いよねえ、ロシア系だよねぇ… んーっ、凄い!
いやぁ久々に発見しました… シェリングみたいな人。。。
後半の盛り上がる所の細かい弓さばきも曖昧さが一切無く、しかも余裕を感じさせる柔らかな音…
若干、リズムに乗る時、弾き急いでる箇所が有って「クロイツェル」はガンガン来るんじゃないか?と思ったら… やっぱりシェリングやズカーマンみたいな繊細さ、上品にまとめて来る。んーっ、良いね。素晴らしいよ、この人は。めちゃめちゃ上手いんだけど、これ見よがしなバーチュオーゾ的な態度は微塵も無く、常に出る音は優美で聴き易い… 最近じゃあ珍しいね、女性ならヒラリー・ハーンがいるけどね。
んーっ、格安で出てるボックスセット買っちゃおうかなーって気になる見事な演奏です。
ぁあ… ピアノの人も出過ぎず、引き過ぎず、リズムも良くて上手いです。
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