この作品を「ジェネレーションX」が放つなんたら、といってしまうのは、あまりに手軽だろう。
作家となるべくして生まれてきたとしか思えない文体・技巧・構成に圧倒された。最初の一行が最後の一行に、見事に折りたたまれ、また最初の一行に循環していく。伏線が伏線としてだけではなく、ディテールとしても文章表現としても機能しているところが、またすごい。ちなみに、話題となった映画は未見。
殴り合いの喧嘩をしたことがなく、存在感のある父親も身近にいなかった若者が、タイラーと名乗る勇気と知力のある若者に出会い、共生関係を結ぶーーと見せて、分裂的・多重人格的に「自分=タイラー」という図式がじょじょに浮かび上がってくる。 その過程で、ファイトクラブから徹底破壊プロジェクトなるものが派生し、あるいはお笑いの、あるいは暴力的な事件を引き起こす。顔に不気味なあざや傷を持つファイトクラブの会員に、いたるところで会うようになる。
誰が、なぜ、こんなことを?というような、事件ともいえない奇妙な事件はよく報道される。それがもしも徹底破壊プロジェクトの仕業だとしたら?黒ずくめで、頭をそり上げた彼らが実は今現在、ニトログリセリンやナパーム弾を製造しているのだとしたら?彼らの靴の中には「埋葬費」としての500ドルが隠してあり、死んで初めて彼らはファイトクラブにおいて称えられる。英雄となる。
ここで思い浮かべるのは、自爆テロの実行犯である。死までのカウントダウンを始めた時、彼らの目にうつる空の青の鮮烈さ、空気の甘さ。そう、これは、漫然と惰性で生きる日常を脱し、生きているという実感を追い求めた小説なのだ。
リサイクルひとつを取っても、なぜ、僕らの世代がツケを払わされなければならないんだと主人公はいう。ここまできたら、ロックフェラーセンターの廃墟でヘラジカを追い、焚き火をするところまで戻らなければ、もうだめなんだ、と。 そうかもしれない。あるいは、まだ希望があるのかもしれない。おそらく、作者の思いは後者だろう。なぜなら、最後の最後で、作者は主人公に共感という幻想を与えるから。 それが、☆5つのところ、ひとつ減点となった理由だ。
不眠症の主人公は(この不眠症がまた、重要な伏線なのだが)、精巣がんをはじめ、ありとあらゆる不治の病の「互助会」に参加し、その夜だけは安らかな眠りを得る。その互助会のメンバーが、最後に「私たちなら、力になれる」「力にならせて」と、高層ビルの屋上に現れるのだ。口の中に銃を突っ込んでいる「僕」の前に。 それでも主人公は銃の引き金を引いたーーことになっている。 この甘さはなんだ?それって幻想だろ?誰も、あんたのかわりに死んでくれないし、あんたのかわりに生きてくれないんだよ、といいたくなる。
付け加えるなら、俳句だのチャクラだの、ヒンドゥー教の牛だの、随所にアジアンテイストな語彙が見られるが、いかにもニューエージっぽくて深みがなく、テイストに過ぎないことも減点の理由となるか。
解説に「無駄を徹底的に削ぎ落とした新鮮な文体」とあるが、「しかし」や「けれども」や「ところが」などを使わないだけで、むしろ饒舌ともいえる、独特な文体である。
ダークでアンダーグラウンドな空気は、同氏の『セブン』を彷彿とさせる。 しかし、中身は『ファイトクラブ』を通し、充実した人生に変えて行きたい、と言う、自己啓発的な物。 何かに行き詰まり、大金で誰かのセミナーや講義を受けに行くより、自宅で『ファイトクラブ』を再生した方が、お得です。 因みに、Amazonで衝動買いばかりしていた私に効いた、タイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)の名言は。 「お前は“物”に支配されている」。
星海社文庫「Fate/Zero」を読後、文庫に背景の挿絵しかない事に落胆し、
もっと多くの情報を得たいと思い知ったのがこの本でした。
内容は同人版(全4巻のほう)のイラスト、キャラクタの設定、ラフ絵、
小説には出てこなかった内容も含む用語辞典、対談など
とても読み応えのある1冊です。
フルカラーB5変形、表紙含め148ページ、厚さは9mmほど。
表紙はモノクロの英霊達で、アマゾンの画像の切嗣の銃イラストは中表紙です。
第二版でした。(一版との違いはないと思われます)
Wiki等で纏められているネットでの情報に満足せず購入しましたが、
お蔵入りのネタも知れて良かったです。
システム、エフェクト、階級システム、どれも素晴らしい
赤ドラもてんこ盛りだし、高い役もポンポンでてかなり楽しめます
しかし、CPUの強さにイライラする…オーブ総取り戦で理不尽な上がりを連発された時のストレスは計り知れない、禿げます。リーチ早いし、普通にツモ上がりされます。PSP叩きつけたくなります。
でも携帯麻雀ゲームで一番イイゲームだと思います、お勧めです。あなたもやって禿げよう!
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