あのエンディングが忘れられない。すべてが一つの終末を迎え、ダ・カーポの曲をバックに朝日が昇る。そのシーンを観た時のボクの感覚が何であったのか、今でもはっきりとはわからない。嬉しいというのでも悲しいというのでもなく、ただ茫然自失となって銀幕に釘付けになっていた。
あの映画を見た時、ボクは10歳だった。物語の骨格となる人物間の関係性や布石を理解する力を、当時のボクはまだ持たなかった。ソルジャー・ブルーがなぜジョミーにすべてを託したのか、キースが頑なにガードしていた心になぜフィシスが入り込むことができたのか。死ぬことをわかっていて、シロエはなぜ飛び立ったのか......そうした一つ一つの背景や意味を理解できるようになったのはずいぶん経ってからのこと。
だけど、それにもかかわらず「地球へ」は10歳のボクを圧倒した。長く心に留まる作品はいくつかあるけど、その時の感覚が、その時の感覚のまま色褪せることなく、中年にさしかかったボクの中に今なお息づいている。
「地球へ」を想う時、ボクは真っ白い部屋の隅で膝を抱える10歳のボクに出会う。彼は泣いているようにも笑っているようにも見える。その姿に、ボクの生がいまだ道半ばであることをボクは知る。
未だに信じられない。24時間テレビ放映当初は毎年2時間のスペシャルアニメが放送されており、開始から3〜4は手塚アニメだった。ある年、竹宮作品である当アニメが放映され当時にないタイプの作品に驚き、それから竹宮作品に興味を持っていった。作品もとても楽しみだか、エンディングの「永遠の一秒」が画像付きで見ることができるねが大変嬉しい。再放送も記憶では1回。当時ビデオデッキは大変高価で家には無く、ずっと観たい観たいと、叶わぬ夢を見ていただけに嬉しい限りだ。
エルメスのすばらしさを実感させてくれる。 それは、何よりも、竹宮恵子(あ、呼び捨てにしてしまった。恐れ多い)の絵の美しさによるものが大きい。 その絵の美しさは、エルメスの作り出してきた「もの」の美しさだけにとどまらず、その美を作り上げ、世に送り出してきたいろいろなタイプの『職人』太刀の行き方のうつくしさも描き出して余りある。 この企画を持ち込まれたとき、正直大変な決断をしたと、あとがきで作者が書いていたけれども、そうだろうなあ、、、とおもわせる、すばらしい、どこをとっても完璧な本です。 表紙だけ見ても、このまま誰かにプレゼントしたくなるくらい。
登場人物への容赦が全く無いまま物語は進んでいきます。
だからこそ作り物ではない多くの思いをこちらへと投げかけ
繰り返し繰り返し、その世界に読者を呼び戻し続ける
屈指の名作になったのではないでしょうか。
読後感は手塚治虫の「火の鳥」に似ていて、
壮大な物語を生きた登場人物と
この作品を作り出した作者に思いをはせてしまいます。
出て来るのは「凄い!」の一言とため息ばかり。
新装版は作者さんとアニメ版に関わった方々のインタビューが各巻に載っています。
多少本編のネタバレをしている部分がありますので、最後に読む事をお勧めします。
10話「逃れの星」 11話「ナスカの子」 12話「孤独なるミュウ」今まで発売されたDVDと同じく、放映時より更に画質がアップしハイクォリティな出来栄えが期待できる。 今回のプレミアムファンディスク(音声のみ)はメインがブルー、ジョミー、フィシス。毎回楽しいトークで盛り上がる。 イラストは結城信輝の迫力あるキース、フィシス。竹宮恵子書き下ろしキース。これだけで買う価値あり。
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