この話は、スペイン内戦の始まる直前の話です。残酷な血みどろの映像はありません。しかし、こんなにも平和で暖かい毎日に暗い影を落とすのは やはり戦争のせいなのだなと、痛いくらいに感じさせられます。 純粋な少年モンチョと、大人だけれど、普通とは違って信頼できる老教師のグレゴリオ先生との触れ合いは、本当に心温まり、幸せな感覚をおぼえます。 蝶には丸まった長い舌があること、ティロノリンコという鳥の一種には求婚の時に花を贈るものがいることをモンチョはグレゴリオ先生から教わります。 二人の暖かな触れ合い。でもそれは、単なる嵐の前の静けさなのです。 ラストシーンは、もう、涙しかないのです。二人の別れは、とても残酷な形で訪れるのです。幸せはそう長くはなかったのです。 この話は、子供の目から見た戦争の痛々しさが感じられます。 涙なくしては見られないストーリーです。
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