両親殺害の現場に居合わせた紫音(しおん)は失語症となってしまい、隣近所の棋士の養子となる。 養父母のもとで暖かく育てられた紫苑は温厚で人当たりの良い少女となり、若くして女流棋士に。 そしてその背景故に記事にしたがるマスコミ・何者かの脅迫と雑音がつきまとうも、心を強く持ちプロ棋士として…。という話です。 事件の真相に将棋が関係しているらしく、加えて登場人物の個性を映すものとして将棋が使われているようで、 今の所は棋譜がどうのこうの、「今の手は~~で」「あの局面では…」と言った専門的な話はほとんどありませんので、 将棋が分からなくてもすんなり話に入っていけると思います。 また、紫音に限らず他の登場人物にも肉付きのしっかりしたストーリーがあり、読み応えがあります。 背景は陰惨ですが読んで気持ちが沈むようなものではありませんので是非どうぞ。
ロックなんてカッコよければそれで良し。全員イケメン&ぼっちゃんという部分がやや鼻につくけど、まぁしょうがないやね、カッコいいんだから。
最終巻、将棋の行方とともに、しおんの両親を殺したのは
誰か、そして羽仁悟の元恋人和美の死、の謎が登場人物たちと
どう絡んでいくのか、が見所だったが、上手くまとめたと思う。
ただ、しおん以上に羽仁兄弟の存在とセリフが、印象に残った。
最後、しおんが歩との何気無い会話で、話せるようになるが、
もっとドラマチックな展開にもっていってもよかったようにも
思うが、幸せとは何気無い平凡なところにある、ということを
読者に訴えたかったのかな、とも思ったりする。
ありきたりだが、気持ちよく読み終われたのはよかった。
興味ある方は、ぜひ一度読んでみてください。
主人公が基本的に喋らないアニメなので、いわゆる「トーキー技術」が必要になります。
チャップリン映画が代表的なトーキー作品になる訳でして、そのチャップリンも言ってるのですが、
最も重要視するべきポイントは表情なんですよ。
そういう事から表情を中心に視聴した訳ですが、顔の表情に実に表現豊かで良い。
主人公、紫音はメモ帳に文字で語っている様に見えますが根本は、その顔の表情で語っている。
私にはその様に見えました。
また、登場キャラ全員の表情が実に千差万別。尚且つ、音響、BGMの使い方が抜群でその場面の
情感、情景に合う物を確実に流す。
アニメ表現技法としては実にレベルが高い
と、本来なら大絶賛して締めたいのですが・・・最高評価する訳にはいかない。
理由として、この作品は「将棋アニメ」である事。
第1話でいきなり二歩をやらかしたのを筆頭に、将棋の魅力を損なう描写が多少見受けられる。
「メインは紫音の心理描写ですから。」
と、擁護する事もできるんですが・・・そういう擁護をすると、
「じゃあ、将棋である必要ないじゃん」
って事になっちゃうんです。
そういう事を差し引きで考えると、星を一つ減らして星4つにするのが妥当な評価になるだろうと
考えられます。
将棋の細かい戦法は余り良く判りませんが、これを読むと途端に将棋をやりたくなりました。ってか、将棋出来なくても、本作の迫力や面白さが減る事はありません。でも、出来たら更に面白いんだろうなぁ〜と。合間合間の棋士さんの達観した解説が面白いです。
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