全10曲というのはアレンジCDということを考慮しても少し寂しい気がします。
もとのトラキア776の音楽自体が「聖戦の系譜」などと比べて少ないので仕方がなかったのかもしれません。
(まだ容量が残っているので、あと5曲程度入れてほしかったという気持ちはあります)
曲数は少ないですが、1曲あたりの時間は3分〜5分とちょうど良く、FEらしいアレンジに仕上がっています。
収録されている曲はどれもおすすめですが、あえて選ぶとすれば「レイドリック」を推します。
レイドリックは第1章から登場するトラキア776の代表的なボスですが、その情けなさは他のFEシリーズに類を見ません。
しかし音楽はその情けなさとは正反対の曲調で、静けさの中に重厚な力強さがあるという感じで聴きごたえがあります。
トラキア776をクリアした数少ない方々やFEファンに特におすすめします。
ユリアーナ・シャノーが歌うテーマソング「Blow’in in the Wind」と「Wind」が収録されている点はSFCのサウンドトラックでは珍しいです。
聖戦の系譜のように各章ごとに曲が変わらないので、曲数は少ないですが音の質はかなり良いほうです。
「トラキア776 FEのテーマ(イントロ付き) 」は相変わらずいい出来でおすすめします。
この他にも、神秘的な雰囲気が漂う「章の中で サラ」はおそらくゲーム中で2,3回ぐらいしか聴けない貴重な音です。
数ある「エンディング〜」もこのゲームをクリアした人にとっては感慨深い曲だと思います。
値段は少し高めの設定ですが、FEファンなら買う価値のある商品です。
現在FE最新作である「覚醒」のレビューをこの前書いているうちに、 まだ未プレイのトラキアがやりたくなり、そのレビューをしてみました。
覚醒の主なテーマの一つが「絆」ですが、 それまでシリーズもギリギリ鼻に付かない、もしくは微妙に付いちゃってるレベルの ご都合主義かつ勧善懲悪なストーリーだったのが、 最新作の覚醒ではそれが完全に鼻に付く通り越し、鼻が当たって痛いレベルに達し、 いちいちゲーム内で「これが・・・絆!?」的なセリフが出るたびに ハイハイワロスワロスwwwww、キズナッテスバラシイデスネwwwと個人的に白々しいと思っていたのですが、 トラキア776は覚醒で全然描けていない「真の絆」というのが描けてると感じました!
覚醒では安易なストーリー、キャラ、舞台設定で、 その絆がジャンプ的というか、道徳の教科書的というか、優等生すぎるという感じがして 白々しく嘘くせぇ・・・と思ったのですが、トラキア776は違いました。 トラキア776では主人公リーフが祖国奪還のため、みんなの期待を背負い戦争をしていきます。 そこらへんの絆の描写が暗黒竜、外伝、紋章、聖戦の過去作と比べ明らかに潰されるほど重く、 みんなのリーフに対する期待、想い、願い、言いかえれば絆がもはや負の領域に達しているのです。 リーフは歴代主人公の中でトップレベルに成長率が悪いのがファンからネタにされますが、 これは明らかに制作側がストーリーをひきたてさせるために、ショボイ成長率にしたのではないでしょうか。 私は制作側の裏話的なことは熱心に調べておらずあまり知らないのですが、 FEの主人公が弱い理由の一つに、主人公一人では弱くてどうしようもないけど、 みんなで団結すれば強くなるというのがテーマだからだそうです。
SFC最後のシリーズとなるトラキア776ではFEの弱く未熟な主人公像をストーリーにも強く反映しています。 悲願のレンスター奪還を成功し、軍が疲労困憊なために周りの重臣の気が進まない中でリーフが正義の名の下に決断し、 隣国アルスターの市民による反乱に急遽加勢しに行くわけですが、 確かにこれから隣国ではむごいことになるけど正直軍を休ませてやれよリーフ!とか思ったり、 でもどーせストーリー的には苦しい戦いだけど勝てた!みたいなご都合主義な展開なんでしょと思ったら、 まず章始めに自軍が敗北し、重臣の一人であるドリアスが仲間の退路を確保するために戦死したという報せで始まり、 リーフと自国に残った軍がいる拠点から遠方はるか南に、反乱を制圧しようと敵軍がわんさかいる中に遠征の自軍と市民がぽつり。 そして章のクリア条件が離脱で、リーフがいるスタート地点すぐ北の拠点にリーフが離脱したら完了・・・ クリアするだけなら、1ターン目にリーフが拠点に撤退すれば終わりだが、 それだと遠方南にいる自軍は全滅してしまうために、 ゲームを心地良くクリアするには無論助けに行かなくてはならない、シリーズ屈指のいやらしいマップ。 そしてヒィヒィ言いながらクリアすると、リーフがアウグストから諭され、 まだまだ自分が未熟で、所詮周りの人によって生かされているのにすぎないことを認識し、 勝利のために国民や自軍などから求められる強い英雄像として自分のギャップに苦悩するのです。 苦境に立ちながら勝利のために無理やり生かされる、絆の恐ろしいところではないでしょうか。 どうみてもリーフの愚策なのに、報せに来た兵が我らの力が及ばず云々と言うのが何ともやるせない。 ドリアスの死に方もお涙頂戴とは異なり、あ〜あリーフが犬死にさせちゃった感じで、 制作側も主人公の未熟さに冷めた感じで演出する感じがシリーズの中で相当珍しいと思います。
そもそも振り返れば、リーフたちが勝利を重ねていく話ではなく、 序盤はひたすら帝国から逃げ、耐えしのぐ話で、 14章のターラでは渋々降参し、戦いを食い止めるなかなかビターな味わいな章です。 もっともっと振り返れば、敵国の本拠地を攻める、つまり城を制圧するというのがシリーズの中では少なく、 大半が敵軍の砦、門や館などを制圧していく、絵としてはかなり地味かもしれない。 あら?もしかしたら最初に制圧する城は18章の帝国に奪われた自国レンスター城かな? もしもそうだとしたらそれはそれでとっても感慨深いものがありますね。 ここらへん記憶が間違っていたら誰かコメントで知らせて下さいね。
話は長くなりましたが、トラキア776はFEのストーリーの中では1番好きです。 雰囲気はFE屈指の暗さで、戦争ってこういうもんだよね・・・という感じがするからです(特に19章)。 新システムの疲労で思うようにならなかったり、 これもまた戦争ってこういうもんだよね・・・って感じで個人的にぐっときます。 でも全員生存で攻略するのは相当難しくリセットの嵐だったり、 最後らへんはせっかく成長したキャラより、杖を重視しなければならない攻略にならざるを得なかったり、 ストレスが溜まったりしまったので、個人的にマイナス☆1で評価は☆4つというところかな。 でも本当に難しいのが好きな人ならぶっちぎりでおすすめ!
全Mapの増援出現地点、出現条件などが見やすく記載されている。 支援効果のパーセンテージ等も掲載されていて、なかなか役にたつが、 聖戦士の書の効果の割合や、エリートモードなどのちょっとした裏技についても 記載はされていないので、この攻略本のを使ってパーフェクトな攻略評価は 得られないと思います。 ただ、攻略本無しでは普通にクリアすることも難しいゲームなので とにかく全員仲間にしてクリアーしたいという方には十分な内容だと思います。
全自軍ユニットの能力データと全マップ攻略が網羅されています。データ集としては便利ですが、マップ攻略はあくまで普通のプレイを対象としたものなので、上級者には少し物足りないかもしれません。
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