要介護度5で多くの病を持つ筆者の母。筆者は母のプライバシーとの関係から本書を執筆することに迷いがあったようだ。ただ、介護の個人体験を普遍化したいという筆者の強い思いが筆を運ばせたのだろう。筆者の職業は作家なので新聞、雑誌、講演など忙しい日々を送っている様子が伝わってくる。その中でホームヘルパーの助けを借りて、介護を行う毎日を過ごしている。 本書の特徴は作家の個人体験であることだ。巧みな描写や叙述、会話を通じ介護体験をリアルに描いており、筆者自身が感じる迷いや喜びが如実に伝わってくる。その表現力によって、本書は読者自身が現場で介護に携わっている雰囲気をかもし出すことに成功している。また、これから介護を携わるかもしれない読者には、自分自身が介護をしている将来の様子を想像させる。私自身この作品を評価できる理由がここにある。エッセイを味わうことができるだけではなく介護保険の利用、ヘルパーや医者との接し方、痴呆の実態を筆者の体験から確実に学ぶことができる。 高齢化に拍車がかかるといわれる今日、医療、介護問題に対してさらに注目していかなくてはならないと感じる。本書は非常に有用であり、知人にも勧めようと思う。エッセイってこんなに素晴らしいんですね。
私は色んな方の意見が聞けてとても興味深かったです。 深刻な話題は中々話せないので… また色んな著名人の方の言葉も出てきましたので、これから映画や本などでその方の人生を私なりに掘り下げてみたいと思います。 私自身、40代独身ひとりっこという枠からはみ出したような人間だからか、落合さんの言葉が暖かく私の心に届きました。 私の不安や孤独が無くなる訳ではありませんが〔今日無事でいる事への感謝と明日も頑張ろう〕と思う事が出来ました。 また孤独感に潰されそうになったらページをめくろうと思います。
私は原発を憎みます.人口過密で,しかも地震大国のこの国の津々浦々に何基もの原発を並列させる,これって一体どういうことですか.よく平気ですね.よく平気で許していますね.おそらく日本人の多くは疑問を感じている筈.しかし,そう感じてもその方向に進ませないのがこの国の旧弊,いいえ違いました,国民性です.ドイツは核暴発の被害に一度も遭っていません.それでも福島第一の惨状をみて直ちに核放棄を決定しました.一方の日本ではヒロシマ・ナガサキを経験し,今またフクシマです.それでも原発を捨てようとしない.この違いはどこから来るのか.この国民性こそ根本の問題です.落合恵子さんの怒髪は天を衝きました.本書74頁に,権力を手中にしたものが考えることが今もって変わっていない,とあります.権力は狡猾です.ファジーな国民性を逆手にとり,ファジーな手法で原発を推進します.
かってこの国は無謀にもアメリカにいくさをしかけ,見るも無惨な結果に終わりました.国民を不幸のどん底に陥れた軍国主義は連合国によって裁かれました.しかし,日本独自の裁判は行われず,その結果,責任をとるべき一部の者たちがマッカーサー司令官におもねり,息を吹き返します.ゾンビのように -----.そして彼らが国民を指導します.ドイツは正反対でした.ナチの犯罪を自らの手で徹底的に暴き出し,大戦の責任を明らかにしました.何もしなかった日本は福島第一も結局ウヤムヤにしてしまうでしょう.日本は民主主義を標榜します.しかし,この民主主義は長いものに巻かれろ,です.佐渡へ佐渡へと草木もなびく民主主義です.権力を嫌う個人主義がこの国にどうしても育たない所以です.私は本書を読みペシミズムを更に深めました.皆さんはどうですか.国民性を変えたいと思いませんか.そうでないと,今後も権力は弱者の抵抗を無視し,圧殺し続けるでしょう.さて採点です.本書の副題は「3.11,それからの日々」です.それに倣い,これからの日々を変えていきたい一念で,星五つとします.
タイトルからしてB級ホラーの匂い満点^^ですが、全くそのとおりの映画です。ルチオフルチ監督作品「地獄の門」の影響受けまくりの嘔吐シーンなどはもうホラー映画の「おかし」の領域に達しています。製作側が意図的にチープな作りをして、そのチープさで観客を楽しませる、そういうタイプの映画です。スプラッタ系が好きな人は一度ご覧になられてはいかがでしょうか。
昔日本語版で読んで感銘を受けた記憶があったのですが、今回英語のオリジナルということで言葉のひとつひとつがより意味深く入ってきました。装丁も美しくずっと愛蔵したい一冊です。
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