この本で一番驚いたのは、「フィリピンにあるアメリカの会社が勝手に作ったCM」のことであるが、それが何と無許可のアトムが出ていたのだそうだ。もちろん、アトムの番組がオンエアーされる前である。 フィリピンって、ひょっとしてディズニー関係?などとの邪推も働くが、久里氏も書いているように、この「アメリカ製の盗作」で手塚治虫がアトムのアニメ化を決心したであろうということは想像に難くない。 何とも貴重な証言である。久里氏は手塚治虫と同じ昭和3年生まれ(もっともそれを知ったのは手塚の死後ということであるが)であるが、こういった歴史を知っている方々の更なる発言に期待したい。
ええ、とうとう買いましたよ。
『ひょっこりひょうたん島』DVD-BOX。
復刻版ね。
海賊の巻ね。
全7巻ね。
この作品、以前からすばらしいとは思っていたけど、まさか我が人生でDVD-BOX購入があるとは。
我が家はめったにテレビをつけない家だけれど、
たまにつけるとその醜悪ぶりにうんざりするのです。
今までテレビをつけない人生を歩んできたのだけど、
子どもが生まれると中々そうはいかない。
4歳娘と2歳息子の彼らはさまざまな場面でテレビと遭遇するのです。僕の実家や、保育園などで。
「テレビ」という存在を知ってしまった彼らは当然のごとく見たいと主張しますね。
いつもならつっぱねるけど、
「ごはんを作る20分だけテレビ見てもいいでしょ」。
そんな風に言わると、まあ、見せてもいい。
だけど、本当に見せたいテレビがないのです。
こんな低俗な環境に取り巻かれた民衆は革命を起こしてもいいんじゃないか?と思うくらい。
それで買いましたねー。自己防衛として。
1日1話。
子どもたちはよろこんでおります。
よろこびたまえよ。
しかし、内容もさることながら、声優たちの名演っぷりに本当にほれぼれします。
こんなにも自由な表現世界だったのか!
大の大人が子どもに向けて堂々とエンターテイメントを繰り広げるこのすばらしき世界!
子どもたちがお風呂場でひょうたん島の主題歌を歌うのは予想できたけれど(目的のひとつだった)、
まさか、ドン・ガバチョの「みなさ〜ん」というモノマネを
21世紀の我が子が自発的にするとは。父さんはうれしい。
でも、そのモノマネは保育園で通じないだろうなあ。
気になる作家が何人も入っていたので買ってみた。
とても面白い!すべて新作。豪華です。ラインナップは、
佐藤雅彦+植田美緒、田名網敬一、清家美佳、大山慶、
しりあがり寿、束芋、宇田敦子、相原信洋、伊藤高志、
しまおまほ、和田淳、村田朋泰、古川タク、九里洋二、
山村浩二、岩井俊雄。
特に面白かったのはまず
佐藤雅彦+植田美緒。
そして美術館でも展覧会を開催している束芋、村田朋泰。
やっぱりセンスがいいし、すみずみまで行き届いていて、
ずっと見ていられます。
しりあがり寿ははじめてアニメーションをつくったようだけど、
「ばかばかしい」センスと笑いのセンスにたけているので
十分面白かった。絵も動きもシンプルなのに。
山村浩二も、いつもより時間がなかったとコメントしてますが、
やっぱり「見せる」ことを強く意識して質が高いです。
DVDのほかに、セットでコンパクトな本もついているし、
全般的に質が高いのでとてもよい!と思いました。
僕はこのDVDBOXSETをユーラ(ユーリ・ノルシュテイン)が参加しているためだけに買う。どんなに待ち望んだか!ここはオムニバスでもいいからユーラが観たい。こーゆー企画にユーラを引っ張り出しただけでも五つ星でしょう。初めて観た”霧につつまれたハリネズミ”の衝撃はまだ鮮明だ。あそこには生きる事の全てが入っている。”話の話”も勿論傑作だけれどあの作品にはロシア人でないとシンクロ出来ない詩情も含まれている気がする。 ユーラが切り取った日本。ワクワクする。
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