欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット [DVD]
この映画、当時の規制(ヘイズコード)によって、表現したかった部分がカットされて、かなり理解しずらくなっている。ネタバレになるようなことは控えるが、鑑賞後にプロダクションノートを参考にしてもらいたい。ブランチと結婚した青年について。ラストのブランチとスタンリーのやりとり。是非、テネシー・ウイリアムズの原作を読まれてから鑑賞されることをオススメしたい。 欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット [DVD] 関連情報
エリア・カザン絶頂期の無駄も不足も一切ない、本当に「まっとう」な作品。ビビアン・リーが理想を求めるもろさを表現する演技は彼女のキャリア絶頂期であり、その巧さは秀逸。そして、ブランドはまだ若かったためスキルは彼女に及ばずとも、その圧倒的なリアルでパワフルな演技は見るものを圧倒する。(この時26歳だそうです・・。)スペクタクルなCGに依存しなくても、いい映画は作れる見本になるとともに、面白くするために、脚本だけでなく演出・演技がミックスしていなければならない必然性がよくわかる名作。 欲望という名の電車 [DVD] 関連情報
この戯曲はアメリカを代表する劇作家のひとり、テネシー・ウィリアムズのもっとも有名な戯曲で、アメリカやイギリスの有名俳優たちが代々ブランチとスタンリーを演じている。どうしても映画のビビアン・リーとマーロン・ブランドのイメージが強いが最近ではジェシカ・ラングが舞台で演じたブランチが評判だったらしい。若さも経済的基盤も失い、孤立無援の立場に追い込まれながらも南部の誇りと華やかな過去にすがりつく繊細な心の持ち主、ブランチ。それに対して野卑だがタフで現実的な生命力の塊、スタンリー。「ガラスの動物園」では、はかない夢に逃れようとする人間に対する同情的な視線があったが、ブランチ対スタンリーの戦いは遥かに容赦がなく、ブランチは完膚なきまでに敗北する。ここに描かれているのは、単なる二人の人間同士の葛藤ではなく、アメリカの歴史の転換点のアレゴリーとも言える。デリケートで優しい心を持ちつつも、荒々しい現実に敗れ去り、ついには狂気に陥ったブランチの姿は哀れを誘うが、最後の場面での彼女は不思議な威厳に満ちている。舞台となったニューオーリンズのけだるい熱気がそのまま伝わってくるような名戯曲。 欲望という名の電車 (新潮文庫) 関連情報
指揮……とお話。と書かれてしまうのが玉に瑕だとコンサートでも語っておられる宮川彬良さんですが、このCDで語りや音楽への深読みまで通して聞くと、音楽に対する愛情というもの、また音楽がサポートし、表現の幅を広げる、あらゆる「舞台」についての気持ちが伝わってきます。都内のCDショップ8軒ほどを回って購入できなかったので仕方なくAmazonで買いましたが、どこで買ってもじっくりしっかりした内容に変わりはありませんでした。あつーい湯船に浸かりながら、じっくりと聞くのが私のオススメです。 欲望という名の電車 関連情報
欲望という名の電車〈オリジナル・ディレクターズカット〉 [VHS]
テネシー・ウイリアムズの名作をエリア・カザンが映画化した名作中の名作。主人公のブランチをヴィヴィアン・リーが扮している。ヴィヴィアン・リーは、「風邪と共に去りぬ」に続いて二度目のオスカー。美貌のヴィヴィアン・リーの狂気と正気の境目を泳ぐような演技がゾクッとするほどリアル。彼女と同居し、ソリの合わない妹の夫を演じるのがマーロン・ブラント。粗暴でありながら性的な魅力をあわせもつ男。奥歯を噛み締めるような独特の喋り方などマーロン・ブラントならではの存在感。この映画の良さは、文学性を損なうことなく映像化されている点にあると思う。出演者の目の動き、視線の交差、声の強弱を積み重ねて、点と点が結びつき、物語が一つの方向に動いてゆく。そして、観るものは、自らの記憶と絡み合って「欲望という名の電車」を体験する。2時間を超える作品であり、モノクロ、現在のSFXなどもない作りだが、俳優の名演と監督の演出によって見るものを圧倒する。映画のお好きな方にとっては一度は観ておくべき作品。 欲望という名の電車〈オリジナル・ディレクターズカット〉 [VHS] 関連情報