僕の村は戦場だった 商品

僕の村は戦場だった Andrei Rublev

ヨーロッパ系のアート映画ではBD化されてもガッカリする場合の方が多いのですが、この盤に関しては最上級の品質を保証出来ます。DVD盤の時点から誠実なリマスタぶりに感心していましたが、BD盤では圧倒的な程の美しいモノクローム映像を堪能できます。キズ汚れは皆無。おそらく良質なオリジナルネガが保管されていたのでしょう。歴史問題で封印されたためかしらん?いずれにせよこれだけ美しいと、これまで退屈に思えた部分も全く気にならなくなります。むしろこれまで退屈と思っていた部分の背後で実に繊細な撮影作業が行われていたことに気付かされました。4Kになったらもっと凄いだろうとワクワクしてしまいます。DVD盤の貴重な特典映像が削除されてしまっているのが、結局両方買えという卑屈な商魂に不快感を感じてしまいましたが。「アンドレイ・ルブリョフ」に関してはより長尺のバージョンがあるようですが、この版を基準軸として、あとはお宝映像として受け止められるでしょう。そこではあまり画質に関して要望する必要はないかとおもいます。作品内容に関しては、そもそもアンドレイ・ルブリョフの生涯に関しては何も判っていないに等しいので、完全にタルコフスキー組の創作です。ただ当時のソ連でなら撮影に入る前に検閲が行われていたはずですから、完成後の騒ぎはかなり政治的な匂いがプンプンします。たぶん「僕の村は戦場だった」の西側での高評価を巡ってつまらない駆け引きが繰り広げられたということでしょうな。おそらく「アンドレイ・ルブリョフ」の撮影が始まった時点ではタルコフスキー側に有利な状況だったのが、公開時点では勢力が逆転していたのでしょう。映画本体とは関係のない話題です。解りづらいのは本作が本質的には「ダイジェスト版」でしかないという事に尽きます。とにかくタルコフスキー組が作り上げたシナリオはそのまま撮影したら400分を越えるというとんでもない代物でした。こういう事態は映画界でよくあることなのですが、問題はそれを刈り込んでいく過程で、普通は物語の流れを崩さないように短縮していくのですが、タルコフスキー組は「撮影したいところを残す」という方向性でカットをしてしまったのです。あの唐突な異教の祭典も、別に変な哲学的な思索なんぞ関係なく、若いタルコフスキー組の連中が撮影したいというエロい感情に任せただけです。ですから各章の間で登場人物の思考が論理的に飛躍してしまっているがために観客がついて行けないという状況が生じます。具体例を挙げればルブリョフが唐突に「最後の審判」の絵が描けないと駄々をこねる場面が登場します。それがきっかけで残酷な事態を招いてしまいますが、この辺の彼の言動がどうにも理解出来ません。実はこの辺では色々凝ったドラマ展開が初期シナリオではあったそうなのですが、纏めて斬り捨てられたのです。当時のタルコフスキー組の構成員は20,30代の血気盛んな連中揃いで、ある意味保守的な当時のソビエト映画に風穴を開けてやると、意気軒昂でした。実の所「アンドレイ・ルブリョフ」が批判されたのは、映画の内容ではなく、このような若僧共が危険視されたためだとも言われています。タルコフスキー自身もこの映画のために牛にガソリンをぶちまけて火を付けたというエピソード(真偽は不明)が残されているぐらい過激な存在として認識されていたようです。ただタタール人の襲来に至るまでは、キリストの磔刑のパロディだとか、オールヌードの乱交場面だとか、やりたい放題の本作ですが、以降は極めて重厚さを増していきます。やはり元シナリオからのカットが減少し、特に「鐘」の章はほぼ変更がありません。この場面のような大規模なモブシーンもタルコフスキーは見事な手捌きを発揮しています。あまり取り上げられませんが、タルコフスキーは映画監督としての基礎能力が極めて高い存在でもあります。幾らイマジネーションが豊富でも、それをフィルムに焼きつける技術がなければ意味がありません。その技術においてタルコフスキーを越える人はちょっと思い浮かびません。キューブリックでもあそこまでのテクニックはありませんでした。作品全体のバランスとしては第一部はアバンギャルドなスタイル。第二部以降が、現在我々がタルコフスキーに対して抱いているイメージに近い映像美が展開されます。現在の鑑賞者にとってはこの第二部が、第一部の面白さをスポイルさせてしまっているように思います。第一部には小難しい理屈なぞ大した意味はなく、とにかく映画造りを楽しもうという覇気が満ち溢れているように感じます。 Andrei Rublev 関連情報

僕の村は戦場だった 僕の村は戦場だった [DVD]

ウラジーミル・ボゴモーロフの小説「イワン」の映画化でタルコフスキー30歳の初めての長編映画です。両親を戦争で亡くしたイワンは、敵への憎しみから12歳にも関わらず強く希望して敵陣への偵察行動に参加します。そして命を落とすまでの物語です。どの国の映画でもよく登場する、「お国のために命を捨てるのだ!」と言う軍人は登場しません。その代わりに、この映画で登場する軍人達は「戦争は大人に任せて子供は学校に行け!」と皆、少年に諭します。つまり、軍人の言葉の方が少年の行動より正常に感じられるというところが、他と違うのです。そして、戦争によって心を病んだ少年の戦場での光景と、彼の母や、想いを寄せる少女との平和な時の回想や心象風景が強いコントラストを放っています。あくまで少年の中だけの狂気と正常がコントラスト強く、美しく捉えられています。。なぜこんなにも美しいのでしょうか?タルコフスキーの映像が美しいから?確かに最大の要因の一つでしょう。でも僕はここで描かれている狂気も正常も純粋だからだと思います。少年ゆえの母に対する愛が純粋だから狂気に走り、純粋だから美しい思い出もあるのです。それが他の戦争映画、例えば酒に溺れたり人を殺したり薬中になったりという、アメリカ映画で描かれるベトナム戦争の正常と狂気との差なのでしょう。酒も飲めばセックスもするという大人とまだ母の愛や淡い恋しか知らない少年の被写体の違いなのかもしれませんけれど。しかしそれが、世界中の数々の戦争映画には見られない美しさ、瑞々しさを持つ映画としてくれているのです。この映画に登場する軍人達は、もちろん命をかけて戦争をしているのですが、つかの間に、恋もするし、横恋慕もする、少年に学校へ行けとも言う。けれど、少年の純粋で一途な愛ゆえに、将校や軍人より強い義務感を持ってしまったという悲しい物語です。そして、終戦後の処刑所で、ソ連の軍人ガリツェフが心の中で聞いた少年に対するドイツ兵の言葉は、純粋さを侮蔑する言葉に聞こえました。とても痛いです。最後の美しい追いかけっこのシーンも忘れられません。PS:ところで、この映画の中に登場する白樺の森は僕の人生の中で一番美しい白樺の森です。 僕の村は戦場だった [DVD] 関連情報

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平和な日本では考えられない世界。是非、皆さんに読んで欲しい本です。世界でこんなに争いがあるとは・・・。山本さんのご冥福をお祈り致します。 ぼくの村は戦場だった。 関連情報

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戦場が美しいなんて言ったら怒られそうですが、この映画ではそうなんです。日の出に浮かび上がる飛行機の残骸のシルエットや暗い沼に落ちる閃光弾など、光と闇のコントラストが素晴らしかったです。また、人物が着ている服や部屋の灯りが暖かそうな分、ロシアの寒さも伝わってきました。最初から最後まで、胸を打つような美しい映像の連続です。話も分かりやすく、抽象的な表現の箇所もスーッと入ってくる感じでした。そして何より、主人公の少年が美しすぎてビックリしました。 僕の村は戦場だった DVD HDマスター 関連情報

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難解な作品を撮るという印象が強いタルコフスキー監督の作品の中では分かりやすく観やすい作品。戦争という大きな渦に巻き込まれ妙に大人びてしまった少年と彼を取り巻く軍人たちの悲しみ。平和な時代に子供として過ごせたことに改めて感謝をしたい気持ちになる。「古い映画は名作と言われててもちょっと退屈」と思っている方でも退屈せずに観れる佳作。後に巨匠になるタルコフスキーの力量の片鱗を映像から感じずにはいられないだろう。 僕の村は戦場だった(字幕版) [VHS] 関連情報




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