バリー・リンドン 商品

バリー・リンドン バリー リンドン [DVD]

この映画を最初に見たとき、高校生でした!あまりにも美しく、美術品のような写真、を映画で見ている感じです。18世紀ヨーロッパという世界で、貴族社会は、衣装も建物も調度も人々も文化を高めていたのであり、そういう一つの極み、をため息が出るくらいきれいな映像で、宝物のように描いてくれています。そして、映画で物語を描く筆、と言いますか、物語を語る視点がどこにあるか、という作り手の立ち位置、があるわけですが、大抵の物語のように、主人公の気持ちになって何かを成し遂げたり、運命の分かれ道、とか、ハラハラドキドキしたり、というのは、ありません。明らかに、突き放して、こやつはこういう風に人生をたどり、こうなっていった・・・と、絶対本人の気持ちにならないで、理科のレポートみたいな視点で・・・だけど、それをとてつもなく美しく人の人生を、こういう風だったんだとさ・・・と、たどっていきます。まあ、主人公の人生が人を感動させるような、誰かのために、あるいは尊い何かのために、自分を犠牲にした、というような人生ではないのでそこが、ミソ、でありましょうが!ある、人間らしくもせこい男のたどった人生を、全く客観的視点で、それは美しく、美しさで飽きさせないようにして、描いて見せた!これは、映画的実験、ともいえるんじゃないでしょうか。映画とは、なんであるか。主人公に気持ちを投影させて、感動を味わう映画が一般的な中、映画とは素朴に考えれば本来現実には、ただ動く映像なのである、それ自体を、絵や美術品のように、できるだけ美しく作り上げたとき、主人公に感情移入、などという、実際観客が目にしているのは映像だけなんだから、物語の方でひきつける、なんて、ずるい(と、あえて、キューブリックの気持ちになって、考えてみます!)方法を自分に禁じて、映像だけで、勝負したら、どれくらい人は何かを感じてくれるんだろうか。ということを、やってみたかったんじゃないかなー、キューブリックは・・・と思いました。サッカレーの原作があるのですから、それを読んでこの視点を思いついたとすれば、サッカレーの原作に、どういう視点が込められているのかも、読んで確かめたい気がしますが、主人公が人を感動させる立派な人物じゃない、ってところが、やはりミソでしょう、再度、言っちゃいましたが。そしてまた、成功したとかしないとか、よかったとかだめだったとか、とかく人間は喜んだり失望したり感動したりしますが・・・どうであっても、現実とは、この物質社会の時間の中での変遷というものは、人間なんかの思惑とは関係なく、ただ、美しいのだ・・・・と普遍的な時間の流れというものを、尊く感じて切り取ったのかもしれませんね。なんだかんだ言っても、時がすべてを支配してるんだ、みたいな普遍的視点で。映画とは映像であり、お客にストーリーで媚びたりせず、映像そのものにこだわるのがまず基本、と考えたキューブリックの気合の入った一作である、と言えると思います。彼は彼の思いで、映画に真摯に向き合って本当に一生懸命作っていたんだ、と感じ、私はじんと来ます... バリー リンドン [DVD] 関連情報

バリー・リンドン バリーリンドン [Blu-ray]

 華やかさと怪しさを兼ね備えた映像美の数々と 中世ヨーロッパの歴史を意地悪な目線で見つめたストーリーが 冴え渡る歴史大作映画であります。 まさに「美しくも意地悪な歴史絵巻」であると言えるでしょう。   バリーリンドン [Blu-ray] 関連情報

バリー・リンドン バリーリンドン [DVD]

ディケンズと並び称される、ヴィクトリア朝時代の作家ウィリアム・メークピース・サッカレイの『バリーリンドン』を、キューブリックが美しい「動く」絵画のように仕上げた作品。とにかく1カット、1カットが息を呑むほど美しい。「伝説の」ロウソク撮影だけでなく、緑豊かな田園風景、抜けるような青い空、流れ行く暗雲、枯れ葉舞う森、赤い制服のイギリス兵の隊列…等、1カットごとの構図、色彩の凝りようが尋常でない。キューブリックは、18世紀の絵画を参考にし、当時の風物をそのまま再現しようとしたというが、その目論みは見事に結実したと言えるだろう。その映像至上主義に比べると、ドラマそのものが素っ気無いのが、いかにも天邪鬼キューブリックと言ったところ。彼は一貫して、ドラマチックなピカレスク・ロマンに仕上げることをせず、バリーという野心家の栄枯盛衰を傍観者の目で冷然と眺める。キャメラは常に対象物から離れ、ロングで捉えることからもそれはわかる。静かで、ストイックなスタイルだ。対して、2度あるラブシーンはストイックながら(いや、ストイックだからというべきか)、美しく官能的だ。キューブリックのフィルモ・グラフィーの中でのラブ・シーンのベストではないだろうか。本DVDの画質は、本編の長尺もあって、若干デジタル圧縮の弊害もあるが、総じて、デジタル・リマスターされた画質は良好。画角も、レターボックスながら、キューブリックの意向通り、1.66:1(実際は、1.60:1ぐらいになっている)になっているのも嬉しい。ただ、そろそろBlu-rayのHD画質で、この極上の映像絵巻を楽しみたいというのが正直なところだ。 バリーリンドン [DVD] 関連情報

バリー・リンドン Barry Lyndon

この作品は映像が素晴らしいとよく言われていますが音楽もそれに勝るとも劣らない素晴らしさです。特にヘンデルのサラバンドはこの作品を見た人なら忘れられない1曲なのではないでしょうか。シューベルトのピアノ三重奏もとても美しい。個人的には時計じかけのオレンジと並ぶほどの名盤だと思います。 Barry Lyndon 関連情報




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