1960年公開、大映の作品です。この物語のもとになっているのは、安珍・清姫伝説です。 この伝説は、紀州、道成寺にまつわるもので、修行中の僧、安珍(美形、今でいうイケメン・・・・ここがミソです))が、 宿を借りた家の娘、清姫に惚れられ、散々言い寄られますが・・・私もこのような目にあってみたい!!・・・・・、 なんとかその誘惑を振り切り、嘘をついて道成寺に向かいます。裏切りを知った清姫は必死になって後を追いますが、 それを妨げるのが濁流渦巻く日高川、決意した清姫は・・・・・・・ 映画化に際し、かなり細部は変更されていますが、大筋はそのままです。 実は、私小さいときに母親に連れられてこの映画を観に行っています。というのも母親が大の雷蔵ファンで、 大映の映画、特に雷蔵の映画は必ず連れていかされました。わかる人はピンとくると思いますが、 子どもにとって大映の映画は面白くないのです。しかし、この映画は違いました。清姫(若尾文子)の入浴シーンはあるし、 途中は退屈でしたが、後半は大蛇に変身し、そしてあのクライマックスシーンがあり、結構怖くって、ビックリした記憶があります。 今回久し振りにこの映画を観ました。雷蔵いいですね・・・母親が好きだったのもよくわかります。 そして、女の情念、怖さを上手く出した若尾文子。しかし、母親は雷蔵の死よりもかなり前に、あの世へ旅立ってしまいました。 この映画を観ると、そんな母親の思い出がこみあげてきて、何とも言えない気持ちになります。 安珍と清姫 [DVD] 関連情報
よく、映画評論家が本作を、同時期のアメリカ映画「蠅男の恐怖」などと比較していますが、私は「縮みゆく人間」の影響が濃いと思います。薬物の力で小さくなった殺人者が、飛行能力を有するという設定は意味不明ですが、透明人間も登場するなど、なかなかの出来具合だと思います。ミニチュア撮影(有楽町の省線爆破)、マットペインティング(研究所の外観)、合成撮影など、的場徹の特撮はもっと評価されてよいと思います。 透明人間と蝿男 [DVD] 関連情報
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